北九州NPOのどんどこプロジェクト

北九州のどんどこプロジェクト

レポート:表現活動 in 足立山森林公園


今日は、「もじっ子自然塾in足立山」のシリーズ2回目。前回の「自然」を楽しむ回に引き続き、「表現」を楽しむ回です。大里東・大里・風師の3つの児童館のみんなが集結します。
この日の足立山は、朝からどんよりと曇り空で、冷えが強かったです。
お友だちの到着前に、まずは大人チームが集合。長めのコートを、シブく羽織った方が、今日のプログラムを担当下さる、劇団C4の大福悟さん。「ダイフク」さんという苗字、珍しいですね~。

今回は児童館の先生方で、このようなパンフレットを準備してくださっています。
この、スタート直前の打合せでは、「さっき車で運転しながら、考えてきた」という大福さんのプランが披露されました。それによると、午前=前回の自然体験の感覚をいかしたゲーム(ねらい:どれぐらい五感が鋭くなっているかを、それぞれにたしかめる) 午後=みんなでタヌキになるゲーム(ねらい:みんなで役割分担をしながら生活をすることのシミュレーションを通して、共同でものごとをすることの大切さや難しさを体感する) という構想です。
はてさて、どんな活動が待ち受けているでしょうね。大人の私たちもワクワクです!

 
まずは風師児童館の猿渡先生から、ごあいさつ。先生もますます、張り切っておられる様子です。
次に大福さんの登場です。お友だちに語りかける声や身振り・手振りが、とても大きな方で、まるで舞台を見ているような気分になりました。足立青少年自然の家は、2階建てで吹き抜けの空間で、自由に体を動かしたり、音や声を出すにはもってこいのところで、大福さんの声も、天井中に、ビンビンと響いていました。
大福さんは、「ダイフクって珍しい名前でしょー?昔、英語の先生に"Big Happy"と言われました。」と自己紹介され、また、今日のお約束として、「先生と一緒に行動すること、森へ勝手に出かけないこと、体調が悪くなったりケガをしたら先生に言うこと」を言われました。
そして、今日の本題の「表現」についてのお話へ。「5年生は"ひょうげん"って書ける?"表す"に、"現"だね。みんなは普段、"おなかすいたー"とか"寒いよー"と思ったりするよね?表現ってさ、こういう心には見えないことを、"表"に"現"すってことなんだよ。今日はみんなで、心の中のことを表してみることを、やってみようと思ってる。」


そしてまずは準備運動。大福さんの指示で、みんなは靴下を脱いで、床にお尻をつけてすわります。そして、「動物たちは危険をどうやって察知するかな?そう!音だよね!今から、僕が持っている拍子木(ひょうしぎ:2本の木をたたいて鳴らす道具)にあわせて、動いてね!」という大福さんのお話の後、大福さんが「チョーン」と鳴らす拍子木に合わせ、①素早く立つ ②2回飛ぶ ③壁に触って戻る ④四角いものを触って、そこでじっとする ⑤人が身につけている物以外の赤い物を触る ⑥さっきの場所に戻る ・・・という流れで、部屋中を動き回りました。


その後も、実にいろいろなゲームをしました。以下、その内容です。
▼後だしジャンケン
声に出してジャンケンをして、①同じものを出す ②必ず勝つ ③必ず負ける という勝ちのルール3種類それぞれにジャンケンで勝負。
▼鬼ごっこ
同じ手を出した者同士でタッチをしあう。


▼「枯れ葉」になったつもりで宇宙を感じよう
寝転がって、目をつぶり、心臓に手を当てて、心臓の音を耳を澄ませてよく聞く。その周囲を、児童館の先生方3~4人がこっそり歩いて、自分のところに近づいて来たと思ったら手を挙げ、遠のいたら手を下げる。
▼「触角」をいかそう
"ザラザラしているものを探せ!"、"ポコポコしているもの!"、"ツルツルしているもの!"、"ペラペラしているもの!"、・・・など、大福さんの掛け声に応じて、それぞれに部屋内を動き回って、大福さんが指示する手触りの物を探す。"自分と同じような感触の髪の毛の人~!"という場面では、みんな右往左往しながらも見つけていました。

ここでいったん、みんな整列して、大福さんから、まずはお話が。「今から話すことは、戦争の時の、ホントのお話です。外国で、父・母・姉・妹の4人家族が、住んでいた町を逃げていました。国境を越えて、車や列車で逃げようとして、姉・妹は、必死で、父・母の手を離さないようにと握っていました。そんな中、銃を持った兵隊が、逃げている人たちをめがけて撃ちに来て、ちょうど、手をつないでいる姉・妹と父・母のまん中に。姉と妹はそこで別れ、姉はトラックに乗せられ、妹は列車に乗せられ、それぞれに別の国へ行き、父・母はその兵隊に撃たれて亡くなってしまいました。その後、妹は、どうしても家族の消息を探したかったこともあり、ジャーナリストになりました。世界各国に出かけていた中で、両親が亡くなったことを知りました。その後、ある火山への取材の時、火口近くへ行こうとするこの妹を、"危ないからやめろ!"と激しく引き留める中年の女性がいました。それでも妹は行こうとしたので、この女性は手をギュっと握って引っ張ろうとしました。すると・・・この手の感触で、分かったのです、この人が姉だということが!つまり、姉妹は、別々になってから何十年も経っていたのですが、感覚がちゃんと覚えていた・・・・という、実際のお話です。」 大福さんの語りに、みんな、じっと静かに聞き入っていました。

▼手の感触のスゴさをたしかめよう
まずはペアでじゃんけんをして、勝った人の後ろに、負けた人が付く。次に、勝った人同士で握手をし、それぞれの後ろの人が、握手をしている相手の人を覚える。そして、前の人は目をつぶり、黙ったまま、後ろの人がリードして、なるべく最初に握手した人とは違う人を探して握手をする。前の人は、最初に握手した人だと思ったら、その場で手を挙げる。間違えていた場合は、他の人へ握手を求めに行く。これを前後交代して再度同じ流れでやる。早いうちに当てたお友だちもいれば、なかなか当たらないお友だちもいました。

 
▼腹式呼吸を体験しよう
ティッシュを一枚ずつ持って、じゃんけんをし、勝った人はティッシュを一枚もらう。ティッシュをもらった人は、顔を上へ向けて、高く上がるように吹いて、なるべく空中にとどめるようにしながら、かつ他の人とぶつからないようにする。大福さんが、ティッシュをキャッチするところを、"頭!"、"おへそ!"、"ヒジ!"と指示しながら、みんなはそこでキャッチできるように動く。"おしり!"と言われた場面では、お尻を突き出すポーズがあちこちで見られ、笑いが起きていました。次に、ペアになって、どちらかがティッシュを吹き、吹いた人がキャッチする場所を指示。さらに、大福さんが指示して、2人がかりでキャッチ。"頭とてのひら!"、"おでこと背中!"、"手首と足首!"など、だんだん難しさも増してきて、より多くの笑いも起きていました。大福さんいわく、これは音楽分野で、腹式呼吸を身につけるためのトレーニング方法のひとつだそうです。フーフーと吹いていると、確かにおのずと呼吸法をマスターできそうですね。

▼いろんなものに変身しよう
これは、大福さんが指示するものに変身するゲームで、一人→ペア→4人組 という流れで行いました。まず、1人で変身したものは、とても硬くて小さな石/ふにゃふにゃの豆腐/大きな岩/ぼろぼろの枯れ葉/新品の鉛筆/短い鉛筆/新品の消しゴム/結構使った丸い消しゴム。ペアで変身したものは、ナイフとフォーク/鉛筆と消しゴム/新品の鉛筆と古い鉛筆/ボールペンと鉛筆 といったもので、さらに、お互いに話し合わずに黙って変身したものとして、チューリップ/ボールペン/掃除機 も。ボールペンの場面では、芯が出るところやクリップといった、細かいパーツに変身する人もいたのが愉快でした。最後に4人組になり、"話し合いしてもいいから、できるだけ早く変身!"という大福さんの掛け声のもと、三輪車/「い」の字/「こ」の字/「も」の字/ゾウさん に変身。他のペアやチームが、何に変身しているかもチェックし合いました。
大福さんからは、「書くのは簡単でも、みんなで体を使って表現することって、こんなに難しいし、面白いんだよ!」というお話がありました。

体も温まって、お腹がペコペコになった頃に、昼食タイム。児童館の先生方が、たくさんのおかずやおにぎりを持ち寄って下さり、大福さんも私も、おいしくいただいて、お腹いっぱいになりました。


さあ、午後からはまず、お腹いっぱいになった体のウォーミングアップも兼ねて、カマキリ/みんみんぜみ/アオムシ等の動物に変身するゲームをしました。大福さんの「喜んでいるカマキリ~」、「いきなり寿命がきてしまったみんみんぜみ~」といった、拍子木を鳴らしながらの掛け声がユニークでした。

40_091122.jpg
次には、タオルをお尻につけて、しっぽを取るゲームをしました。まず、30秒以内に背の高い方からの順に並びます。しかし、「しゃべらない、人に触れない」というルールなので、なかなか並べず、何度もやり直しに。きれいに並べたところで、一人ずつ、通しで番号を言って、同じ番号になった人同士でグループ分けをしました。グループごとに背の高い方からの順に並び、前の人の腰を持って列をつくりながら、他のグループの一番後ろの人のしっぽを取ります。そして、しっぽを取られたら列から抜けます。チームワークが問われるので、みんな楽しみながらも、真剣になっていました。

次に、大福さんが、「一人よりも二人、二人よりも三人・・・といったように、なんでも、一緒にすれば、すごいパワーを持っているものなんだ!今日はタヌキの家族になって、それを感じてみよう!」とお話され、いよいよ、タヌキの家族として過ごす時間へ・・・。
以下は、その"タヌキの家族の一日"です。
①まずはチームごとに、名前を決めました。そして、それぞれのキャラも決めました。たとえば、"父=ポン吉、母=ポンポン、双子の子供=クリポンとアリポン"とか、"姉=25歳のおしゃれなお姉さん"といった具合に。
 
②新聞紙を、小枝や落ち葉として、すみかを作りました。寝るところや食事をするところなど、みんなでどんなすみかにするか話し合いながらしました。大福さんから「そもそもタヌキって、どんな寝方をするんだろう?何を食べるんだろう?」と問いかけがあり、みんなとても考え込みながらも、早速、新聞紙の上に横たわったり、エサを食べるまねをしていました。
中には、新聞紙で枕を作ったり、台所を設けてご飯を作ったりしているチームも・・・。


③大福さんの「寝床で寝て下さーい!」という掛け声で、それぞれに、すやすやと寝入っていました。

④朝の日の出を表すような明るいBGMがラジカセから流され、起床の時間がやってきました。火起こしや朝ごはんづくり、片づけまでやるチームもみられました。まるで人間の生活のよう・・・。


⑤クマの足音のBGMに切り替わり、近づいたと思ったら遠のいて行きました。大福さんが、「クマに負けないよう、家族全員、力を合わせて、合体して一つのモノに化けよう~!」と大きな声で言われ、「3、2、1、ドロン!」の合図とともに、水筒/ちゃんと動くハサミ/一匹の犬 に化けました。写真は、ハサミ。大作です!


⑥それぞれ、巣に戻り、お祭りタイムへ。名付けて、「家族対抗 化け合戦」です。大福さんの「今年もこの季節がやってきました~」という司会者ばりのアナウンスとともに、"長老たぬき"として児童館の3人の先生が審査役になる形での対抗戦。
一回戦では、「門司」の「門」の字、「司」の字に化けました。

 
32_091122.jpgのサムネール画像
各チームの審査は、3人の長老たぬきの協議で、「せぇ~のっ、こっちー!」で決定していきます。
 
2回戦では、ウサギに化け、さらに3回戦では、ブルドーザーに化けました。スピードとアイデアと完成度を競うということで、みんなとても気合いが入っていました。ブルドーザーについては、大福さんが「今まで見た中で、一番ド迫力!!」と言われてました。

 
⑦お祭りが終わり、それぞれに巣に戻り、晩ご飯の時間へ。

 
晩ご飯が終わって、就寝の時間になり、これでタヌキの家族の一日は終わりました。


タヌキの時間の最後には、部屋中に散らばった新聞紙の片づけ。題して「家族対抗片づけ大会」です。その名の通り、家族で一番早く片づけられたチームを表彰するというもので、圧倒的にスピーディだったチームが勝利となりました。景品は、大きな紙で折ったカブトです。


最後の時間では、まず、タオルを持ってみんなで一つの輪を作りました。
タオルを持って、その場で立ち、拍子木の音で移動しながら、輪を作りました。「隣の人が、その前に輪を作った時と同じ人同士にならないように」、「目や耳など、使えるものをしっかりと使いながら」・・・というルールです。

また、タオルを球状に結んで、自分の目の前に置いて、隣の人にウィンクとともに送ったり、次の人へ投げ渡しながら前の人から受け取ったりしました。大福さんは「タオルのボールは、自分の気持ちと思って大事にやさしく渡してください」と言われ、みんな渡す相手の胸元あたりをめがけて、注意しながら投げ渡していました。投げるだけならまだしも、投げながら受け取るのが難しかったようです。

41_091122.jpgのサムネール画像  
最後に、大福さんはこんな話をされました。
「人間は、なかなか、伝えたことが伝わらないこともある。大人になってもそうだ。でも、動物たちはいのちを守るために、必死に助け合っている。君たち人間も、しっかりと気持ちを伝えあってほしいと願っています。でも、さっき、一つの輪を作るのにも、とても時間がかかったよね!まずどうしたらよいか、自分で考えてみること。そして、周りを見てみること。これこそ、人と人とが伝え理解しあえるための最初の一歩です。
そのためには、五感が大切なんです。自然の中の動物たちだけでなく、私たち人間も、いつも耳をすまし、目を開いて、ご飯も味わって、いろんなものを触って感じる。そして、感じたことを、誰かに必ず伝える。そうすれば、私たち人下の世界も、もっとすばらしくなるはずです!」

トラックバック(0)

トラックバックURL:
 

このページのトップへ

「子どものための児童館とNPOの協働事業(NPOどんどこプロジェクト)」は、
(財)住友生命社会福祉事業団が協賛しています。