NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2018

NIKO NIKO館

愛媛県上浮穴郡久万高原町

地域と、皆と、ゆる~く繋がるNIKO NIKO館 Part3
~防犯、防災に強い町づくり・こどもと地域のネットワーク~

タイトル 地域と、皆と、ゆる~く繋がるNIKO NIKO館 Part3
~防犯、防災に強い町づくり・こどもと地域のネットワーク~
協力NPO
  • パステルくらぶ
  • NPO法人 由良野の森
その他協力者・関係者
  • 久万高原町社会福祉協議会
  • 久万高原町消防署
  • 久万高原町社会福祉教育委員会 家庭教育支援チーム
  • 久万こども園
  • 上浮穴高等学校
開催日時 2018年6月~2019年2月
開催場所 NIKO NIKO館
目的
  • 児童館の子どもたちが地域の中で活動する姿を地域の人に見てもらうことで、一人ひとりの自信や自己肯定感となり、自分達の住んでいる町の活性化へと繋げていきます。
  • 地域の人々と交流し、お互いに顔見知りになることで、防犯、防災対策につなげ、危機管理の地域力を強固にしていきます。
  • 防犯・防災の取り組みを通して、身に付けたことを地域の中で生かしていきます。
概要
  1. 久万高原町の自然を体験しながら防災キャンプを行い、防災についての知識を学ぶ。
  2. 久万高原町での災害を想定して避難訓練、避難所生活の体験を行い、災害への備えや意識を高める。
  3. 児童館で行う夏プランを利用して、防災についての知識を学ぶ。
  4. 限界集落の高齢者サロンへ出向き、一緒に食事や出前カフェを楽しみながら、普段、高齢者の生活に困難な作業を中心に、子ども達が掃除の手伝いを行う。また、防災体験で学んだことや、調べたことを伝え、高齢者と子どもと防災、防犯に対して共有する。
  5. 新しく入会した遊友団(ジュニアボランティアグループ)に、今まで継続している活動を引き継ぎ、久万高原町で行われるイベントや、四国88ヶ所で訪れるお遍路さんの休憩所に出向き、出前カフェを行い、地域の方、全国の方と交流を深める。

NIKO NIKO館について

連絡先

住所 〒791-1202
愛媛県上浮穴郡久万高原町久万1457-1
電話番号 0892-21-2335

レポート

当日の様子

8月8日(水)柳谷 みょうがサロンとの交流

高齢者サロンとの交流は3年目となり、3年間通して活動してきた児童が率先して、高齢者のみなさんと自然体で親しみ、積極的に声掛けや出前カフェのお接待をする姿が見られました。この日の昼食はたこ焼き。みんなでワイワイ賑やかにたこ焼きを焼いて、和やかな雰囲気で楽しい時間を過ごしました。子どもたちと会話を楽しむ中で「孫やひ孫が遊びに来たみたいで嬉しい」と、おばあちゃんたちはにこやかな笑顔で話され、張り切ってきびきび動く姿が印象的でした。昼食後は体育館でディスコン大会。おばあちゃんたちは普段から練習しているのでとても強い!子ども達も熱中して白熱した試合で盛り上がりました。

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8月10日(金)避難所生活にトライアル

NIKO NIKOクラブと、遊友団ジュニアボランティアグループ合わせて24名の子ども達と、社会福祉協議会、消防署、地域包括支援センターとの協働で、災害時に避難所ではどのように生活するのか、という視点で「避難所生活にトライアル」の体験活動を行いました。4班に別れ、ハザードマップクイズやダンボールベッド作りを行い、ダンボールには、重さに強い方向があることや、ダンボールの中にたくさんダンボールを詰めることで、強度を保てるなどのコツを学びました。昼食はアルミ缶を利用して、一人一缶を使い炊飯にトライしました。真剣なまなざしで火の番をして、お米を炊くのも、電気が使えないとこんなにも手間隙がかかることを実感することが出来ました。避難所には、元気な人ばかりではなく、赤ちゃん連れや、高齢者、障がい者、けが人など様々な人がいるということを、忘れてはいけません。そんな不自由さを分かり合うため、高齢者疑似体験装置を着用し、歩く、寝るなど生活の動作を行いました。「困っている人がいたら、助けてあげたい」という気持ちがより強くなった様子でした。災害時の、食事、トイレ、睡眠など、必要不可欠な日常の不便さを感じ、災害が起こる前に備えておくことの重要性に気づくことが出来ました。

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8月28日(火)NPO由良野の森 防災デイキャンプ

NPO由良野の森で、学生ボランティアと一緒に、防災デイキャンプを行いました。まずは、災害を想定した状況の中で防災カレー作りを行い、屋外で炊き出しをするという設定で、燃料となる枝を集め、マッチで火をつけました。火が消えないように保つのも一苦労で、何度も消えてしまい燃えやすい枝はどんなものか、肌に感じながら学びました。逆転の発想で、湿っている丸太は、火床に鍋を置くための土台として利用しました。仲間や周りの人と役割分担をして、手際よく行う段取りをすることの大切さも子どもたち自身が感じ、必要な場面で自ら動けるようになりました。食べた食器の洗浄は、災害時は貴重な水は使えないので、消し炭に砂を混ぜたものを洗剤代わりに活用し、油汚れを落とす方法を知り、子供たちにとって、覚えておくべきポイントとして印象に残ったようでした。午後からは川上りを体験し、自然の中で五感を使った活動で一日を過ごし、一段と子どもたちのたくましさが際立ち、充実感の表情に満ちていました。

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9月8日(水)仕七川 古味サロンとの交流

この日は、「地域に住む子どもたちにぜひ来てほしい」という希望をお聞きし、仕七川地区の小学校へ通っている児童館の児童を中心に古味サロンを訪れ、出前カフェ持参し、食事やゲームで交流を深めました。「○○さんとこの○○ちゃんじゃな。大きなったなぁ」と目を細める姿や、ゲームや昔遊びを童心に返って楽しむおじいちゃん、おばあちゃんの姿が見られました。すっかり仲良くなり、気がつくと子どもたちがその場にあった黒板に、みんなの似顔絵を描いてプレゼントする場面もありました。

11月10日(土)仕七川 古味サロンとの交流 お宮掃除

仕七川地区の小学生を中心に、自分の住む地区にあるお宮掃除を、9月に出前カフェに訪れた古味サロンの皆さんと一緒に行いました。「高齢化で何年もお祭り前のお掃除が出来ていない」という住民の方々の声があり、児童館の子どもたちのお手伝いが必要とされました。「久しぶりにお祭りにおみこしを出すことが出来て本当に嬉しかった。ありがとう」と喜びの声を聞いて、子どもたちも「みんなの役に立てて、がんばってよかった」と嬉しそうに語りました。この協働をきっかけに、その後も、古味サロンと仕七川地区の小学生との交流が続いているという、嬉しい報告がありました。

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11月17日(土)NIKO文化祭

この日はたくさん地域の方が児童館に集い、児童館をPRする機会となりました。食事バザーや、遊びなどのコーナーを子どもたちが担当し、様々な世代と交流することが出来ました。

12月1日(土)黒藤川 つづらがわサロンとの交流

つづらがわサロンの皆さんは、昨年、大雪のためやむなく出前カフェが中止になってしまったという経緯もあり、子どもたちが訪れるのを心待ちにしてくださっていました。昼食のカツカレー作りや出前カフェ、風船バレーを一緒に楽しみました。そして、防災活動を通して学んだことをクイズ形式にして伝えることで、互いに防災への意識を高めることが出来ました。

2月24日(日)くままちひな祭り こども店長

くままち商店街のひなまつりイベントに参加し、ジュニアボランティアの子ども達が考えたお店を出店しました。地域の方との交流を楽しむことを、全員が共通テーマとして意識し、接客体験を行いました。当日は、お客さんを呼び込むために声を出して、興味を持ってもらえるよう、内容を伝える工夫をする子どもの姿が見られました。夏に取り組んだ、防災体験などの紹介マップを子ども達が制作し、地域の方々に見ていただく機会も設けることが出来ました。お店を出店するまでには、様々な準備が必要で、それらを子ども達自信が店長として責任を持ってやり遂げることで感じた、責任感や達成感が、自己肯定感の育ちに繋がっているのではないかと思いました。

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よかったこと

継続した取り組みを通し、協働機関との連携や子どもを取り巻く地域とのネットワークが構築され、地域の中の児童館としての役割や可能性に気づくことが出来ました。高齢者サロンとの交流では、子どもたち自身が必要とされる存在であることを肌で感じ、自主的な活動意欲へと繋がっています。更に、今年は「防災・防犯」をテーマに、世界的な異常気象や、大規模な自然災害が頻発する世の中において、身近で重要な課題を、それぞれの協働機関の強みを生かした体験活動を行うことが出来ました。子どもたち自身が活動に意欲的に取り組む姿を見て、周りの大人たちを巻き込みながら、防災についての意識付けや助け合いの精神が育ちました。

子どもたちの声

  • 防災非常食の作り方を初めて知って、今度は自分が教えてあげたいと思いました。火を使うのは大変だったけど、楽しかったので、またしたいと思いました。
  • 高齢者疑似体験は、体の関節が曲げられなくて、早く動くことが出来ませんでした。おばあちゃんたちはこんな大変な思いをしながら生活しているのだと知る事が出来てよかったです。困っている人に優しく助けてあげたいと思いました。
  • 地域の人たちに、喜んでもらえるように、手作りの防災活動マップやお店の準備を、自分たちで考えてできたのが楽しかったです。
  • 準備はたくさん考えることや時間が要ると分かりました。お客さんに「ありがとう」「えらいね」と言ってもらえて嬉しかったです。

協力NPOの感想

  • 自然の中で防災カレー作り体験を通し、初めての経験や大変なことも、仲間と助け合いながら達成し、生き生きとした子どもたちの姿が見られて嬉しかったです。

その他協力者の感想

  • 自分の住む地域のことや、防災について考え、積極的に活動に参加している姿を見て頼もしく感じました。
  • 児童館と繋がることで、福祉の分野で良い効果がもたらされていると感じています。今後も様々な企画を一緒に出来れば嬉しいです。

児童館担当者の感想

継続して行っている出前カフェのおもてなしでは、子ども達が自信を持って接客する姿が見られ、役割分担や、友達やスタッフとの連携もとれるようになり、他者とのコミュニケーションを楽しんでいる様子が見られました。子ども達が将来カフェで働きたいという夢を語り、社会の中での自分の存在を意識し、人も自分自身も大切に思っていることや、将来への期待感を感じていることを嬉しく思いました。

防災についての体験学習を通して、保護者の方から、「子どもから非常食を用意しないとダメだよ。と、言われて備蓄するようにしました。」という言葉が聞かれ、これからも忘れてはいけない課題として、防災の備えや意識が根付いていくように取り組みを続けたいと思いました。