NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2018

燕市児童研修館「こどもの森」

新潟県燕市

もりの防災講座

タイトル もりの防災講座
協力NPO
  • NPO法人 WWA(ワーキングウィメンズアソシエーション)
  • 新潟NPO協会
  • 燕アレルギーっ子クラブ
その他協力者
  • 燕市食生活改善推進委員協議会
  • 燕市交通公園
  • にじいろドロップス
  • まんまるほっぺ
  • グリーンボランティアみどり
  • 燕市小中川児童館
  • 燕市防災課
開催日時 2018年7月〜2019年2月
開催場所 燕市児童研修館「こどもの森」
目的

こどもの森は、乳幼児とその保護者が活動する場としては、地域の中で十分周知されていると感じていますが、学生の参画がほとんどありません。この事業を通じて、地域の学生がこどもの森に足を運ぶきっかけとしたいと考えています。特に、調理の講座においては、食物アレルギーを持つ子どもたちにも対応できるよう、地域のボランティアや大学生に協力してもらいたいと考えています。

また、昨年度独自に実施した防災講座を、このプロジェクトでブラッシュアップし、専門的な知識をさらに盛り込んでいきたいと考えています。将来的には、こどもの森がいざという時に、子どもたち、また小さな子どもとその保護者たちがここに来れば安全だと思ってもらえる場になりたいです。

概要

災害時の備蓄としての作物作りから、いざという時の調理方法までを視野に入れた一連の活動を行う。

防災講座1 保存食作り

地元の食材を利用した梅干しを作る。作物を作り、収穫し、乾燥保存食を作る。

防災講座2 防災について考える講座「赤ちゃんとママの防災講座(仮題)」

小さな子どもを持つ母親たちが災害時に必要なことや避難グッズについてお互いに考える。

防災講座3 災害食クッキング

主に乳幼児とその保護者を対象として、パッククッキングの手法で調理を行う。離乳食対応、食物アレルギー対応も行う。食材として、講座で作った保存食も使用する。また、食料の備蓄について考える場とする。

防災講座4 防災グッズを作る

飾っておきながら災害時に役立つものとしてキャンドル作りを行う。

防災講座5 防災ごっこ

館内全体で防災に関する様々な体験活動ができるブースを設ける。昼食時には炊き出しの訓練も予定。

燕市児童研修館「こどもの森」について

連絡先

住所 〒959-1263
新潟県燕市大曲3355
電話番号 0256-61-1551

レポート

当日の様子

野菜の種まき、収穫、調理して食べるまでの一貫した食育活動を展開し、災害時の備蓄として保存食(梅干し、干しいも、切り干し大根)を作りました。さらに協働団体の専門性を生かし、『ママのための防災講座』『防災キャンドル作り』『防災食クッキング』を行い、メイン企画の『防災ごっこ』に繋げました。

『防災ごっこ』では、「防災」「食」「遊び」をキーワードにした18のブースをスタンプラリーで回ります。【いざ!というときのトイレ体験】【やってみよう消火器体験】【お役立ち保存食紹介】【ごぞんじですか?ヘルプカード】【うたっておどって防災体操】などなど、児童館職員、協働団体の得意分野を発揮できるさまざまな体験活動の場となりました。また、【炊き出し訓練】では、燕アレルギーっ子クラブ協力の下、災害時、だれもが安心して食べることのできるメニューを考え、米粉すいとんを作りました。

食物アレルギーについて知ってもらいたいとというお母さん方の思いに応え、最終回の災害食クッキングは『災害時のおやつについて考える』という企画にしました。自宅から非難するときに、何を持ってくるか、今家には何があるのか、我が子が食べられるのもは何なのかを考え、おすすめおやつを持ち寄り情報交換を行い、ローリングストックについて学びました。

年間継続し何度も講座を行ったことで、こどもの森来館者が「防災」や「食の備え」について職員と話しをすることが多くなっています。

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よかったこと

最初にWWAによる講座を行ったことで、母親たちの防災に対する意識が高まったと思います。また、アレルギーっ子クラブとの協働では、母親たちの行動力、企画・実行したいという力の伸びがとても大きく、児童館職員も感化される部分があり、協力団体もどんどん増えていきました。

子どもたちの声

  • キャンドル作り簡単だった。おうちのテレビのところにおいて置くよ。(防災キャンドル作り・参加者)
  • 学校で保育の時間に学んだように子どもたちに声をかけてみた。嬉しそうに工作をしてくれて、私もうれしくなった。(防災ごっこ・高校生ボランティア)
  • お母さんと一緒に書いた保存食のレシピをなかなか手にとってもらえなくて悲しかった。配布場所を変えてたくさんの人に配ってみた。(防災ごっこ・中学生ボランティア)
  • スタンプラリーでいろいろ遊べて楽しかった。(防災ごっこ・参加者)
  • 体操や工作もあったし、外で消火器を使ってみれておもしろかった。(防災ごっこ・参加者)
  • トイレには、新聞紙の代わりに猫のトイレシートを入れればいいと思うよ。(防災ごっこ・参加者)
  • 米粉すいとん、みんながおいしいって言ってくれてうれしかった!(防災ごっこ・小学生炊き出しボランティア)
  • みんないっしょのおやつはうれしかったです。(災害時のおやつ体験・参加者)

協力NPOの感想

WWA
  • 小さいお子さんを育てている方が、「防災」について考えるよい機会となったと思う。家族を持って(子どもが生まれて)初めて「防災」「命を守る」ということを考えたという方もいたので、子どもが小さいときにさまざまなことを考える機会であったことが分かった。
  • 体験談を通して、「自分の身にいつ起きるかもしれない」ということが伝わったと感じている。ヒトゴトではなく自分ゴトとして捉えていただけてよかった。
  • その後、地域の防災訓練に参加した、と報告してくださった方がいて、自助、共助の行動が早速おきたことが嬉しかった。
  • 今まで小学生を対象にしてきたことが多かったので、赤ちゃんのいる家庭向けに何か特別に伝えられることがあったら良かったのかなと反省し、今後の課題にもしてみたいです。
  • 離れて暮らす老いた親の防災について考えているという話も出ていました。
  • 「こどもの森」のような場所は、地域のつながりを保ったり、作ったりするためにとても大切なところだと思いました。
燕アレルギーっ子クラブ
  • アレルギー対応の炊き出しをやってみたいという思いをかなえてもらえた。多くの参加者がいた一方、衛生面など、実際の避難時にはまだまだ課題の多いことにも気付くことができた。
  • ヘルプカードを持つことで、アレルギーっ子が自分で食物アレルギーについて周りに伝え、食推さんにも分かってもらうことができ、一緒に活動できたことは良かったと思う。
  • 災害時のおやつ体験では、情報交換に子どもも保護者も積極的に参加していた。おやつは、いつもの日常のことなので、災害を自分のこととしてとらえることのできる良いテーマだったのではないかと思った。
新潟NPO協会
  • 今回関わった母親を中心に、防災ママクラブのような協力体制を作っていったらどうか。

その他協力者の感想

  • 親子で楽しくキャンドル作りができました。作業を通して、防災も意識することにより、いざという時の備えになったのではないかと思います。
にじいろドロップス
  • 親子で楽しくキャンドル作りができました。作業を通して、防災も意識することにより、いざという時の備えになったのではないかと思います。
燕市交通公園
  • とても良い取り組みだと思いました。ぜひ継続していきたいと感じました。
  • イベントを知らずに公園に遊びに来て、消火器体験をされた方が多かったです。イベントをやっていると分かるように、園内入り口等に表示を行えばよかった。
  • 今後は協力者も増やして、屋外での取り組みも充実させて、可能であれば規模も拡大していければよいなと思います。
燕市食生活改善推進委員協議会
  • 実際に炊き出しに関わっていくであろう団体として、食物アレルギーについてまだまだ意識が足りないと感じ、今後、学んでいかなければならないと思いました。よい機会をいただきました。
全国ヘルプマーク普及ネットワーク
  • ヘルプマークが必要な方に情報を届けることのできるよい機会でした。関心を持って話を聞いてくださる方が大勢いました。
まんまるほっぺ
  • 子どもたちが調理を楽しんでくれていて、準備をがんばってよかったと思いました。パンケーキのトッピングをグループで分け合っていたりして、ほほえましかったです。アレルギーについて学んだ後だったので、きちんと確認もできていました。
はっぴーズコミュ
  • 親子ともに地域をあげて、遊びながら、楽しみながら「防災」を学ぶことのできるすばらしい企画だった。スタンプを集めることが目的になりがちだが、体験や、話を聞かないと押せないという一貫した方法は有意義だったと思います。
  • こういう取り組みは、毎年といわずとも、何回あっても良いことだと思います。今後も継続していけると良いですね。
  • 地域の団体として、一緒に活動できたことにも大感謝です!
小中川児童館
  • 災害時に備えてどう準備するかについて、特に子供と一緒にいる女性目線で学ぶことができました。また、食材別のパッククッキングは、児童クラブにおける万が一の場合に、食物アレルギー対応として役立つと思います。

児童館担当者の感想

  • 協働、協力団体がとても多く、職員自ら地域に出て行くことで、活動の周知ができ、協力者も増えていくことを実感できました。学校や他の児童館にも足を運び、子どもたちと一緒に作り上げていくことができたら、より良い企画になると確信しています。
  • 年間を通じて「防災」をテーマに活動してきたことで、いつか参加したいと思っている方が大勢いることが分かりました。一度きりの企画にせず、継続していくことが大切だと思いました。また、継続することは職員の意識の向上にもなったと思います。地域の中の児童館、いざという時のこどもの森を、利用者も職員も意識できるようになってきています。