第4回の模様が紹介されています。
日立グループの東北エリアポータルで第4回「新米の食べくらべをしよう」が紹介されました。(株)日立製作所東北支社からは,今回のプロジェクトのため,NPO法人環境保全米ネットワークに電気炊飯器10台を寄贈してくださいました。
日立グループの東北エリアポータルで第4回「新米の食べくらべをしよう」が紹介されました。(株)日立製作所東北支社からは,今回のプロジェクトのため,NPO法人環境保全米ネットワークに電気炊飯器10台を寄贈してくださいました。
今日は,新米の食べくらべのプログラムです。
今日は,調理系NPOに料理のお願いをしていないので,宮城学院大学の食物栄養専攻の学生ボランティアが料理を担当します。
と思っていたら,賢和会・男の台所の高橋さんが援軍として参加です。ありがとうございます。
今日のメインは,10種類のお米です。(株)日立製作所東北支社から提供された10台の電気炊飯器を並べ,お米と番号札を対照し,お米を研ぐ準備です。
お米の研ぎ方でも,ご飯の味や香りが変わってきます。今日は,研ぐ前の水換えを2回,研ぎは手のひらでお米を押しながら30回,これを3回繰り返し,最後に水換えを2回,濁っていればもう1回という手順で統一することにしました。
10時30分に電気炊飯器のスイッチを入れ,炊き上がりが11時40分の予定です。ここが問題です。同時に炊き上げるためには,同時にスイッチを入れないといけない。1,200W(12アンペア)の電気炊飯器を10台ですから,12,000W(120アンペア)です。みどりの森幼稚園の総アンペア数が110アンペアですから,施設内の各室にまんべんなく電気炊飯器を置いていかないと,ブレーカーが飛んでしまいます。
案の定,2台ほどブレーカーが飛んでしまい,同時に炊き上げとは行きませんでした。でもなんとか,試食時間の中では炊き上がり,事なきは得ました。
さあいよいよ準備も進みスタートです。今日は,ゲストとして電気炊飯器を寄贈してくれた(株)日立製作所東北支社から林さんと小野さんも参加です。お米の食べくらべにも挑戦です。
ご飯が炊きあがるまでの間に,NPO法人環境保全米ネットワークの横須賀和江さんから,環境保全米ネットワークや今日試食するお米の話しがありました。各お米の交配の歴史,お米の特性,宮沢賢治と陸羽132号の話し,お米に関するクイズなどを行いました。
同じく三浦隆弘さんからは,環境保全米の取り組みの紹介があり,安全なお米の生産のみならず,環境の保全の取り組みなども紹介されました。
12時近くになり,ご飯が炊きあがりました。参加者が順番に並び,お米ナンバー1・2・3番の3種類のご飯をお皿にもらい,味,香り,食感,美味しいさなどを評価しながら,チェックシートに感想を交えて書き込んでいきます。次に,ブレーカートラブルにより,7・8・9・10番の4種類のご飯の食べくらべです。最後に,やっと炊きあがった4・5・6番の食べくらべです。
私も試食してみましたが,事前のレクチャーもあり,あきらかに食味が違うもの,悪いもの,普段食べているもの,昔食べていたものがあり,半数程度は当てることが出来ました。しかし,ご飯の食べくらべって非常に難しいものですね。
そして,お米の食べくらべの最後は,人気投票です。人気投票の時点で参加者には各番号のお米の名前は伏せたままです。好きなご飯の1位と2位に投票し,結果の発表です。
結果は,第一位が15票を獲得した,宮城の昔の王者「ササニシキ」です。第2位は3つで10票を獲得した「ミルキークイーン」「コシヒカリ」「古代黒米」でした。次が,第5位で「ひとめぼれ」でした。
ちなみに,「陸羽132号」は1票獲得の最下位になってしまいました。やはり大正時代の品種で,多収穫ではありますが,美味しさの方は,最近の交配種にはかなわないようです。参加した子どもからは,「このご飯は納豆に合う」との評価もあり,素朴な味わいだということなのでしょう。
そして,お米の銘柄発表です。1番あきたこまち,2番ひとめぼれ・・・・3番目あたりでほとんどの人が脱落していく中で,全問正解者がいました。すばらしいのか?どうなのか?
賞品としてせんだい・みやぎNPOセンターが運営しているNPOの秋のお祭り「せんだいCARES」のTシャツをプレゼントしました。
答えは,事前に配布してあったお米リストの順番通りだったのです。素直に上から順番に書いたんだろうね。おめでとう。素直って大事ですよね。
さて,ご飯の食べくらべ,人気投票,そして発表も終わり,いよいよ昼食です。
美味しいと思ったご飯をお腹いっぱい食べよう!!ご飯バイキングの出現です。
おかずは,環境保全米の三浦さん育てた名取市のセリのおひたし,タクアン,ゆずを効かせたハクサイのお新香,作りたての豆味噌,みそ汁,出し昆布の佃煮です。
お米をメインにし,質素なおかずのはずが,豪華になってしまいました。
参加者は2度,3度とご飯をおかわりしながら,色々なお米の味や香りを楽しみました。
例によって,記念写真は「お残しは」「許しまへんで」でした。
今日の最後は,次回使う干し柿の出来具合を確かめ,干し柿を揉んで柔らかくして,終了でした。
「米どころ宮城」のお米にこだわり食育プログラムを展開してきた「ぱくぱくプロジェクト」の本領発揮のプログラムが今回の「新米の食べくらべをしよう」です。
宮城県内と近県で収穫されたばかりの新米を10種類集めての食べくらべ,試食会です。
宮城県からは,石巻市で収穫された宮城のお米の二大巨頭「ひとめぼれ」と「ササニシキ」,登米市で収穫された新顔の「ミルキークイーン」,色麻町で収穫された同じく新顔の「たきたて」,栗原市で収穫された同じく新顔の「まなむすめ」がエントリーです。
岩手県からは,一関市で収穫された「陸羽132号」の登場です。このお米は,大正10年に作り出された品種で,宮沢賢治の稲作挿話「あすこの田はねえ」の中で,多収穫な米として栽培を奨励する話が出てくる伝説のお米です。
秋田県からは,横手市で収穫された秋田の巨頭「あきたこまち」の登場です。
山形県からは,鶴岡市で収穫された日本の巨頭「コシヒカリ」,東根市で収穫された「はえぬき」が登場です。
さらに,宮城県名取市で収穫された「ひとめぼれ」に小学生が育てた古代黒米を1割混ぜ込んだスペシャル米も登場です。
いずれのお米もNPO法人環境保全米ネットワークに参加している農業者が生産したものを,環境保全米ネットワークの高橋芳道さんが玄米で集め,同じ精米歩合にあわせてくれたベストな状態のお米ばかりです。
これだけの種類のお米を集めるだけでも大変だったと思います。更に精米度合い,含水率の調整までして下さった高橋芳道さん,ありがとうございました。
提供者 生産地 品種
1 佐藤光広 (秋田県横手市) あきたこまち
2 高橋芳道 (宮城県石巻市) ひとめぼれ
3 高橋芳道 (宮城県石巻市) ササニシキ
4 佐藤想司 (岩手県一関市) 陸羽132号
5 佐々木寿之(宮城県登米市) ミルキークイーン
6 五十嵐正谷(山形県鶴岡市) コシヒカリ
7 石山満 (山形県東根市) はえぬき
8 片倉玄 (宮城県色麻町) たきたて
9 鈴木繁彦 (宮城県栗原市) まなむすめ
10 三浦隆弘 (宮城県名取市) ひとめぼれ+古代黒米(名取市増田小学校3年生)
さて,電気炊飯器の問題もクリアーしなければなりません。折角のお米を同じ条件で炊き上げなければ食べくらべになりません。
同一仕様の電気炊飯器を10台そろえる必要があります。
NPO法人せんだい・みやぎNPOセンターが運営しているサポート資源提供システムを活用し,インスパイアー・ザ・ネクストの(株)日立製作所東北支社にお願いし,電気炊飯器10台をNPO法人環境保全米ネットワークに寄贈できないか打診をし,みごとに獲得することが出来ました。ほぼ最新式の厚釜仕様の電気炊飯器,定価推定4万円×10台のビッグプレゼントによって,このプログラムの実施が可能になりました。このプレゼントによって,環境保全米ネットワークは県内各地でお米の食べくらべを実施していくそうです。米どころ宮城に大きなインフラを整備することも出来ました。
今日は,秋の郷土料理を味わうプログラムです。
今日も朝から「仙台男子厨房に入ろう会」の皆さんが,切り干し大根の煮付け,切り干し大根の甘酢漬け,ナメコ汁,そして何と言っても,炊きたての新米の調理に入っています。調理場は相変わらず朝から戦場です。
参加者が集まりました。冒頭は,「おにぎりワークショップ」でスタートです。
パワーポイントでおにぎりの多様性の解説です。「混ぜる」「まぶす」「入れる」「巻く」「塗る」「焼く」などの多様なテクニック,さらには「丸」「三角」「俵型」などのおにぎりの形。おにぎりの具材とご飯の関係,テクニック,形,これらの組み合わせによって,世界に一つだけの多様な「Myおにぎり」をつくることができます。
そんな,基礎知識を得た後で,「おにぎりワークショップ」の本番です。
■後で写真が入ります。
「NPO法人スローフード宮城」の渋谷文枝さんがインストラクターです。渋谷さんは,農家レストラン「ふみえはらはん」を今から10年以上も前に始めた方で,宮城の農家レストランの先駆者です。
ちなみに,「ふみえはらはん」は,「文枝原班」で,渋谷文枝さんと原班=原集落と言う意味です。フランス語ではありません。
「昔は,5合(ごんご)位のおにぎりを持って,農作業に行ったの」
「私たちの小さい頃は海苔なんか,高くて使えなかったの。シソに塩しておいて,巻いたの」
「この間,神田うのちゃんが取材できた時,2合のおにぎりをつくってやったら,ペロッと食べたの。あんなに細いのにね。おにぎりにするとたべられるの」
「おにぎりを握るときは,気持ちを入れるように,手のひらの中で転がしていくと,丸まってくるの」
こんな話をしながら,文枝さんの手の中では,1合のおにぎりが出来上がって来ました。炊きたての熱々の1合のご飯をいとも安々と握り上げていく技と慣れには感心です。
さあ,子どもたちの「おのぎりワークショップ」の開始です。ご飯を茶碗にもらい,具材のコーナーで「Myおにぎり」づくりです。
鮭,焼きたらこ,おろしたらこ,ごま,海苔,シソ,塩唐辛子。入れたり,混ぜたり,まぶしたり,様々な「Myおにぎり」たちが出来てきました。
鴨ネギなどという渋いものもあります。文枝さんが合鴨農法で米作りに取り組んでいますが,その鴨の第2の役目が,「おにぎりワークショップ」だったとは・・・
おっと出てきました,第2のご飯です。里芋の炊き込みご飯です。塩をした大根の葉っぱが彩りを添えています。これもおにぎりにして頂きます。
おにぎりづくりも一段落して,いよいよ食事の時間です。
今日のメインディッシュ,頭が付いて,はらわたも入ったままの秋刀魚が一人一匹が出てきました。子どもたちにとっては,とてつもない難関です。
でも大丈夫。いただきますの前に「一匹まんまの魚の食べ方ワークショップ」の開始です。
「みんなの最難関,頭が付いて,はらわたも入った秋刀魚を準備しました。でも大丈夫です」
「魚には,頭から尻尾にかけて,側線というものがあります。この側線を箸でつついて行きます。そして,つついた所に箸を入れ,上下に開くと,骨から身が外れます。ほら」
「そして,頭を持って,上に引っ張ると,ほら,背骨も外れます」
「はらわたは苦いので,食べなくてもいいです。こうすると綺麗の取れます」
「佐藤春夫の「さんま さんま さんまにがいか しょっぱいか」のにがいは,このはらわたなんだよね。しょっぱいは身の方なんだよね。みんな味わってみてね」
■後で写真が入ります。
こんな話を聞いた後で,いただきますをしました。
さあ,秋刀魚はどうでしょうか?おぉ,みんな上手に食べています。頭と骨だけを残して,完食した子どももいます。
自分でつくったおにぎりって美味しいね。秋刀魚の塩焼きも美味しいね。自分たちでつくった切り干し大根も美味しいね。ナメコ汁も美味しいね。
秋刀魚は,宮城県の北,気仙沼港からの直送です。気仙沼港は日本有数の港町で,秋刀魚の水揚げ日本一の町から,新鮮なものを宅急便で取り寄せました。
「男厨会」の完璧な調理もあいまって最高の宮城の秋の味覚を味わうことが出来ました。
どうですか,この見事な秋刀魚の食べっぷり。子どもたちの魚離れ,特に頭の付いた,形が見える魚,小骨のある魚が嫌われているようです。
しかし,ちゃんと食べ方を教えると,子どもたちだって,ちゃんと魚を食べるのです。重要な食育ですね。
この子の食べ方は完璧です。思わず,頭をなでて褒めてしまいました。君はもう,魚食い大王だね。
スタッフ分も準備完了です。今日のメニューはこんな感じです。みんな腹ぺこです。ナメコ汁3杯いただきました。
最後のプログラムは,干し柿づくりです。例によって,包丁での作業です。みんな器用に皮を剥いていきます。中には,ダイヤモンドカットのような柿もあります。干せば,同じだから。そうなんだろうか?
第5回のまとめの会のおやつに,「柿のり」という干し柿と上新粉を使った,お焼きの材料にします。これも,宮城の郷土料理の一つです。
最後に,お約束の集合写真です。合い言葉は,「お残しは」「許しまへんで」です。このプロジェクトの記念写真の合い言葉になってしまいました。
第3回「郷土料理を味わおう」の「ぱくぱく」の終了です。
柿、どうしましょうか?採りにいきましょう。どこに?
またまた、お寺の登場です。何かとお寺に縁があります。新坂町の「永昌寺」の柿の実をいただくことにしました。
永浜館長と出発です。実は私たち,干し柿づくりをしたことがありません。永昌寺さんの2本の柿木のうち1本から,100個程の柿の実をもいで(取って)きましたが,干し柿用の柿は実に小枝を付けたままでないと,干せないことを知りませんでした。
ただ,ぼっつら,ぼっつらともいできたのです。
児童館に帰ってから,干せないことを指摘され,再度,柿もぎに行くことになりました。
2回目の柿もぎには,高枝切りばさみを持参して,枝ごともいできました。
児童館に帰ってから,干し安いように枝を短く揃えて,干し柿づくりの準備完了です。柿の葉っぱも本番で使いますので,綺麗に重ねてしまっておきました。
既に,児童クラブで干し柿づくりに取り組んでいます。この柿をよく見れば,枝付きでなくてはいけないと思ったのに。学習がたりないようです。
小野崎和尚、突然のお葬式で参加できず。児童館の永浜館長と私は顔を見合わせ、目が見開いています。
でも大丈夫。永浜館長は、実家がお寺で和尚さんになるための修行を終えています。もしもの時には、永浜館長がお精進の説法をすることになっていました。作務衣(さむえ)姿の館長に一同???
「実は、予定していた和尚さんが、突然のお葬式で来れません。そこで、実は、永浜館長は・・・」
参加者一同「えぇー」「そうだったんですか」
永浜館長の説法の始まりです。本当は難しいのですが、子どもたちにも分かるようにお話ししています。さすがわ館長です。
食事は、素材の生産者、調理してくれた人、食事のためのお金を稼いできた人、自分の存在理由としての先祖、そして御仏(みほとけ)に感謝しながらいただくものであること。自分がこの食事を食べるに値する人間なのか、そんなことが書かれた「五観の偈(ごかんのげ)」の解説を受け、みんなで唱えました。
その他に、精進の食事のマナーとして、配膳、器の持ち方、箸の持ち方、食べ方、有名なタクアンでの食後の食器の掃除方法、片付け方などを学び、今日の食事で実践することにしました。
さらに、嫌いなものでもちゃんと食べるのも精進のマナー、食育の基本です。合い言葉は、「お残しは、許しまへんでー」です。何故か、関西弁。和尚さんたちは、修行で関西方面に行きますからね。
「ニンジン嫌いな人」誰もいません。「今日は、嫌いと言ったら、4倍来ますので、いいですね」
お残しは、許されない。
嫌いと言えない。
子どもたちの表情は、真剣です。
ただ、食事をするだけなのに。
その間に、「仙台男子厨房に入ろう会」のメンバーによる精進料理の調理が進んでいます。「男子」と言っても「女子」もいます。皆さん、ご夫婦で活動をしているのです。
食事の前にこのプロジェクトに野菜類を提供している「朝市夕市ネットワーク」の三浦さんから、「生産者が販売まで行うことの意味」と題してお話しをいただきました。
安全で安心な食材を消費者に届けたい。地産地消は、食の安全安心のみならず、運搬に掛かる燃料まで考えると地球環境にも優しいといった話しをいただきました。
いよいよ、食事です。今日のメニューはこんな感じです。
高野豆腐の天ぷらもバッチリです。高野豆腐を戻し、しょうゆ、みりん、ショウガの付け汁に浸し、汁気を切ります。上新粉に山芋で粘りを加えた衣を付けて、油で揚げます。
度々、上新粉が出てきますが、「みどりの森幼稚園」では、小麦粉を使わない給食に取り組んでいます。小麦粉アレルギーや小麦粉の安全性に疑問があるからだそうで、私たちも小麦粉を封印して、食事作りに取り組んでいます。これって、結構大変です。
自分の食事は自分で運びます。あらあら、茶碗をお椀が逆になっています。箸も変な人がいます。食事のマナーの一環として、正しい食器の配置も学びました。そして、メニューの説明です。高野豆腐の天ぷら。ニンジン、カボチャは蒸し煮にし、バットに並べてから、霧吹きで醤油をさっと振ったものです。お汁は、天然舞茸、ヒラタケに出汁の干し椎茸、昆布も刻み具にしています。さらに、打ち豆も入っています。
今日のデザートは、サツマイモとムラサキイモの2色キントンです。ほんのりとした甘さに子どもたちも満足です。
とにかく、食材の味を大切にし、余計な味付けは行わないのが精進料理の調理の基本です。
それでは、いただきます。とは、ならないのがお精進です。「五観の偈」をもう一度唱え、そして、いただきますです。
例によって、「美味しい」の嵐です。ニンジン嫌いな子も絶対にいるはずなのに、誰も、お残しをせず、ちゃんと食べ上げています。
スタッフも、美味しくいただきました。
食器の片付けも1人1人で行います。茶碗に番茶をもらい,残しておいたタクアンで食器のお掃除をしてから、下げ膳をします。
今日の最後は、切り干し大根づくりです。精進料理の調理を担当した「仙台男子厨房に入ろう会」のメンバーの指導で、大根切りの作業です。
次回の「郷土料理を味わい」で使い食材づくりに挑戦です。軸切り、櫛切り、輪切り、いろいろに大根が刻まれていきます。昔は、ばあちゃんが大根を刻んで干していたものです。今の子どもたちにとっては、食べたことあるけど、つくることが可能な対象ではなかったようです。
終わり間際に、お葬式を終えた小野崎和尚が到着です。改めて、お精進のお話しをいただきました。短目に。
記念撮影の合い言葉は、カメラマンが「お残しは」、参加者全員で「許しまへんで」という、ちょった代わった記念写真になりました。
児童館の前庭に切り干し大根を広げて、今日の「ぱくぱく」は終了です。
本当に、美味しい経験でした。次回は,この切り干し大根で郷土料理のプログラムを行います。さらに、子どもたちには仰天の食育企画も!!
スタッフが加美町小野田の漕洞宗のお寺「生来院」の小野崎和尚を訪問し、精進のマナーと精進料理のメニューについての打ち合わせです。
本番では小野崎和尚からの精進の説法を参加者にしてもらう予定です。
メニューは、メインが肉もどきの高野豆腐の天ぷら、ニンジン、カボチャの煮物に決定です。キノコのお汁とタクアン漬けが付き、炊きたての新米というメニューです。
出汁は、魚介系の鰹節は使えません。昆布、干し椎茸に加え、打ち豆を使うことにしました。
打ち豆は、大豆を蒸かし、小槌で打ち、平たくした食材です。東北地方の日本海側の食材ですが、大豆出汁として使われています。しかし、太平洋側の仙台では、使いません。手に入るのでしょうか?
さて、高野豆腐の天ぷらも難題です。今回の調理系NPOは、「仙台男子厨房に入ろう会」が担当してくれます。レシピを伝え、試作の開始です。私も、2回の試作を重ね、試食、修正を重ねました(酒の当てづくりを兼ねて)。
通町児童館の食育プログラム「ぱくぱくプロジェクト」の第1回は「竹筒でご飯を炊く」です。
児童館には、調理室も園庭もないので、道路向いの「みどりの森幼稚園」を会場に各回のプログラムを展開していきます。
幼稚園の園庭に今回のプロジェクトのために仙台市役所から提供してもらったU字側溝を8本並べて、ご飯を炊く窯の準備です。この幼稚園は自由教育を旨としており、園庭はデコボコだらけです。スタッフは園庭の整地作業から取りかかり、U字側溝を水平に設置していきます。
竹筒を水洗いし、U字側溝に薪や炭の燃料をセットし参加者の集合を待ちます。
一方で,調理室では「賢和会・男の台所・和(やわらぎ)クラブ」のメンバーが芋煮汁の調理に取りかかっています。今日は,スペシャルなデザートもつくるそうです。楽しみですね。
参加者が集まってきました。親子で約30名の参加者とスタッフが約20名、総勢50名での「ぱくぱくプロジェクト」の開始です。
始まりのガイダンスのあとで、竹筒の釜に「賢和会・男の台所・和クラブ」のメンバーが洗米したくれた、お米を詰めて、U字側溝にセットし、火入れをしました。
ここからは、「竹焚け隊」の皆さんに火の番をお願いし、参加者は「竹切り隊」に出発です。
「竹切り隊」は、歩いて20分程の臨済宗のお寺「満勝寺」に出向き、芋煮汁をよそおうための竹のカップを創りに、お出掛けです。
竹筒の釜づくりには時間が掛かり過ぎるし、蓋を創るのにテクニックを要するので事前に創ることにしましたが、どうしても子どもたちに竹を切らせたかったのです。
「仙台市民の森を創る会」は、里山保全などに取り組んでいる団体ですが、街の中の緑の保全にも関心を持っています。お寺さんの竹林を題材に、緑の保全と食育の話しをして貰いました。
美味しい竹の子を頂くためには、適度に竹を間引きしていくことが必要です。里山の保全も同じです。そんな話しをしてもらい、いよいよ竹林に分け入り、竹切りの開始です。子どもたちもノコギリを手に、竹切りに挑戦です。全員が初体験です、竹林の中に一列になって順番を待っています。
切り出したばかりの竹を一節ごとに切り分け、MYカップづくりが始まりました。時間が掛かってもいいんです。自分で造ることが大切なんです。
MYカップを持って、幼稚園に帰還です。往復で1時間近く歩き、竹も切り、「竹切り隊」のみんなは腹ぺこです。
「竹焚け隊」のみんなは、全身薫製状態で、50本の竹筒のご飯を見事に炊きあげていました。「竹焚け隊」のみんな、ご苦労様でした。
竹筒の蓋を開けると、竹の良い香りが立ち込めます。この香りの移ったご飯は、さぞかし美味しいでしょう。
さあ、食育は食べなくては始まりません。竹筒の外側が炭化していますので、新聞紙にくるんだ竹筒の窯がそのまま今度は、お茶碗に変身です。1人1本のお茶碗を受け取り、次はMYカップを洗い、「賢和会・男の台所・和クラブ」のみなさんが作った芋煮汁をよそおって貰います。家族単位で、グループ単位で、めいめいに園庭に陣取り、楽しい昼食の時間です。スタッフも、おなかがペコペコです。みんな、美味しいの連発です。
今日の昼食は、こんな感じです。竹筒の蓋を開けると、竹のえにも言われぬ香りが立ち上がります。新米を使っています。何と贅沢な。何ともったいないことを、私たちはしているのでしょう。
食材を紹介しましょう。
お米は、「NPO法人環境保全米ネットワーク」の黒澤さんが育てた、新米の「ひとめぼれ」です。前々日に精米したものが、宅急便で前日に届きました。
野菜類は、「朝市夕市ネットワーク」に参加している角田市と蔵王町のメンバーが育てたものです。芋煮汁のメインは里芋です。さらに、ニンジン、ハクサイ、ネギ、野菜類は生産者からの直送です。マイタケ、ハタケシメジのキノコ類は、加美町小野田の土産館(どさんかん)で調達しました。味噌も小野田のばあちゃんの手作り味噌を使っています。食材は、可能な限り生産者に近いところから調達してきました。
肉は、なかなか難しいので、みやぎ生協で買ってきました。
みんな、ぱくぱくです。芋煮汁のおかわりOK。ちなみに私は、3杯いただきました。
食後のデザートは、お団子です。昨日は、お月見でしたので、里芋を裏ごしし、上新粉と混ぜて茹でたツルンとした団子にみたらし餡が掛かっています。一口いただくと、中から栗が出てきました。こんな贅沢な食育をしていいのでしょうか。
みんな大満足で、終わりの会です。
食材提供NPO、調理系NPO、環境保全系NPOの連携によって、第1回のプログラムが運営され、さらに会場提供の幼稚園、お寺さん、仙台市役所さんなどの協力があったことを参加者に説明し、今日の「ぱくぱく」は終了でした。
ご飯を竹で炊いたことがありません。しかも、本番では50人分のご飯を竹筒で炊かなければなりません。事前のシミレーションが重要です。
竹は、縦使いがいいのか、横使いがいいのか、炊きあがりに要する時間は、蒸らしの時間は、燃料の量は?
2回に渡る実験により、竹は横使いで竹の蓋付きが燃費効率が良く、薪も最小で済む。沸騰までの20分、炊きあがりまでに40分、蒸らしで更に20分を要し、所要時間は1時間と判明しました。
竹の一節で、1合のお米を焚くのがちょうど良いということで、竹筒の釜は50本必要であることも判明しました。
さあ、竹筒の釜の準備をどうするのか?本番の時間では制作が間に合いません。「仙台市民の森を創る会」の角田さんから、事前に制作しておくとの申し出を頂きました。仙台市の泉墓園の入り口部分の竹林の整備で出る竹を使って竹筒の釜50本を当日に持ち込んでくれることになりました。
実験で炊きあがったお米に、みどりの森幼稚園の子どもたちが群がってきます。これは,私たちのお昼だって言うのに,どんどん奪われていきます。
やっぱり、美味しいものは、子どもでも分かるんですね。
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