NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2016

社会福祉法人幸成会 幸成児童館

青森県黒石市

青森初挑戦!あずましの里黒石 幸成こどもガイド2016

タイトル 青森初挑戦!あずましの里黒石 幸成こどもガイド2016
協力NPO 横町十文字まちそだて会
その他協力者・関係者
  • あおもりNPOサポートセンター
  • 黒石市
  • 幸成保育園
  • 幸成児童館母親クラブ
  • 中部地区振興協議会
  • 中部地区老人クラブ連合会
  • 黒石市立中部公民館
  • 黒石市立中郷小学校
  • 黒石やきそば応援団ブラスト
開催日時 2016年7月25日
開催場所 幸成児童館、松の湯交流館、黒石こみせ通
目的
  • 社会福祉法人幸成会が取り組むりんごの一生、人の一生。併設の幸成保育園の命の大切さを育む体験(受粉体験、収穫りんご品評会、りんご料理教室等)を通して、郷土の特産物りんごの知識を深めている。その知識と体験を活かして子どもたちがりんごから人の一生を感じ取り、『1日1個のりんご』の大切さをガイドとして紙芝居等を用いて県内外の方に伝え、お互いに命の尊さを感じる。
  • 水清く人情のあついあずましの里として「米とりんごといで湯」を誇り、「よされ、ねぷた」を愛してきたまちである。これまで培われてきた郷土の文化をさらに高め、豊かで活気みなぎる黒石市の実現を目指す。
  • 青森県が誇る黒石津軽家の江戸時代からの風情が保たれているこみせ通り。国の重要文化財高橋家住宅、造り酒屋、蔵などが並び2005年には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、日本の道100選にも選ばれている。そんな地域の財産の保存と伝統を受け継ぐため、子どもたちが自分の住む黒石の良さや歴史を知り、地域の為に貢献できる人材を育成する。
  • 黒石を知ることは、黒石を誇りに思うこと。「交わることで知る」をコンセプトとしている松の湯交流館を活用し「誰もが松の湯を『自分の場所』にするために」地域の施設を活用した事業の展開を推進する。
  • 地域に眠っている宝物を活かした黒石らしいまちづくりを目的としているNPO法人横町十文字まちそだて会。黒石を愛し、黒石のために活動する大人の後ろ姿を子ども達が見て、ふれ合って黒石で次世代を担うことへの希望や目標を持つ。
  • 人情あついこの地域性を活かし、地域と児童館のつながりをより強いものにし、まちで子どもを育てる関係づくりに努める。
  • 県内初のこの取り組みを県内外に広く配布されている地域情報誌松の湯レタ-で紹介し地域活性化まちづくり、まちと子どもの協働児童館活動の先陣を切り、全国的な活動の柱となり、児童健全育成の必要性を広める。
概要

導入 1. りんごの一生紙芝居・マインドマップ作り

  • りんごの一生紙芝居を鑑賞しりんごの一生からいのちの大切さに気づく。
  • 課題シート1(宿題)を基に黒石市の歴史(まち、まつり、特産物等)を調べる。
  • 調べる方法(例:・地区振興協議会、老人クラブの協力・祖父母の協力等)
  • マインドマップを作成し班ごとに発表して自分の取り巻く環境に気づく。

体験 2. 黒石まち歩きツアーの体験

黒石こみせ通りの商家やなりわいを巡るまちなか探訪ツアーへ実際に参加し、こみせ通りの歴史を知る。ガイド観光を体験し、ガイドの仕方を学ぶ。

研修 3. 寺子屋ワークショップ1・2(全二回)

  • 導入、体験をいかして自分が黒石市の何を紹介したいかを検討する。
  • おもてなしの心を学びお客様に喜んでもらえる立ち振る舞いや言葉遣いを学ぶ。
  • 実際にガイドすることを想定した練習を行う。(紙芝居の読み聞かせ等)
  • 終了証等を発行し、認定ガイド資格を取得する。
  • お世話になった方への手紙の書き方や意味を学ぶ。
    ※日本郵便株式会社主催『手紙の書き方体験授業』を活用し、ファミリーマート主催『ありがとうの手紙コンテスト』(9/30必着)に応募する。

実践 4. こみせまち歩きツア-ガイドデビュー

  • 実際のお客さまを相手にまち歩きガイドを行う。
  • 担当個所を決め、その部分を詳しく丁寧に、次回も来ていただけるような感謝の心で対応する。
  • 手作りのりんごの一生の紙芝居を披露し、おいしい水、米、りんごをPRする。

まとめ

活動を振り返り、最初に作ったマインドマップに終わってから気づいたことを記入し、児童館まつり等の行事で公開展示する。

※地域情報誌『松の湯レター』に活動内容を掲載していただき、広く県内外に活動を周知させ全国的活動の柱となり、まちの活性化と児童館活動の必要性を発信する。

その他

  • 幸成児童館母親クラブの協力『黒石こみせ通り親子散策研修』の実施
  • きりん財団 キリン・子ども「力」応援プロジェクト事業『黒石のまちにカフェをつくろう!』とのタイアップ

社会福祉法人幸成会 幸成児童館について

連絡先

住所 〒036-0541
青森県黒石市北美町3丁目68-1
電話番号 0172-53-5014

レポート

当日の様子

report_kosei01.jpg

  1. 市長はじめ地域の方々や家族等に地域の魅力や見どころを取材しました。地域の方々は非常に興味を示してくださり、快く協力してくださいました。
  2. りんごの一生紙芝居を鑑賞して命の尊さを感じ、また、取材した内容を発表し合いながらマインドマップを作成し自分の周りにあるものについて考えました。いつもあるあたりまえのものがあたりまえでないことに気づき、地域の良さを考えました。
  3. 実際にまちあるきツアーの体験をして気づいたことを細かくメモや写真を撮り、地域の良さを再発見しました。
  4. 発見したことを地図にまとめました。写真や地図を手にグループで話し合いながら、興味、関心のあった個所を話し合いました。
  5. 手紙の書き方を学び、お世話になった地域の方々に「ありがとうの手紙」を作成しました。相手を思いやる気持ちが徐々に強くなり、最後のガこどもガイドツアーへの招待状を兼ねた手紙を心をこめて書きました。
  6. ガイドする内容を自ら考えてガイド原稿を作成しました。自らの言葉で表現し温かみのある内容になりました。
  7. マイクをつけてガイドのリハーサルをしました。お互いにガイドを聞きあい意欲を高め合いました。
  8. 市長をはじめとする地域の方々をお招きして黒石こみせ通りのこどもガイドツアーを行いました。認定証授与、やる気宣言をして意欲満々にいきいきとガイドとして案内することが出来ました。
  9. ガイド新聞を作成し、活動を振り返ると共にありがとうカードの交換をして一緒に活動した仲間と絆を深めました。
  10. 児童館まつりでガイドデビューまでの流れやガイド新聞、実際に取材を受けた新聞の数々をまとめ、展示し、広く地域のみなさんに周知しました。ガイド報告会を行い、パネルを使ってこみせ通りのガイドを行い、来場者のみなさんに活動を発表しました。

よかったこと

  • 以前は指示を待つことが多かった子どもたちが、活動を通して自主的に物事を考え、発表できるようになった。子ども達が積極的に提案するようになった。
  • 自らの言葉で発表することに慣れてきて堂々と話すことが出来るようになった。恥ずかしい気持ちよりも相手を思いやる心が育まれた。
  • 多くの経験からたくましく生きる知恵が身につき柔軟に活動できる選択肢が増えた。
  • 地域愛が深まり誇りを持って活動するようになった。
  • 様々な地域の財産はそれを陰で支える力があることを知り、あたりまえのものがあたりまえでないことに気づき感謝の心が育まれた。
  • 地域の輪が広がり子どもたちを取りまく環境が豊かなものになった。
  • 「児童館」の持つ子どもの実態の把握と「まちそだて会」の持つ街との繋がりや歴史が協働しお互いの強みを出し合うことができた。
  • 地域新聞社の取材を受け、活動が大いに盛り上がった。記事を見て総合学習の授業に取り入れる小学校もあり、地域の活性化に繋がった。
  • 休日、自主的に家族へこどもガイドツアーを行う参加者もあった。保護者の地域財産や子どもの活動への興味関心も深まり、継続に対する強い要望もあった。
  • 近隣市町村でも子どもガイド育成の取り組みが検討され活動の先駆けとなった。

report_kosei02.jpg

子どもたちの声

  • 今まであまり黒石の事を知らなかったけどいろいろ知れてよかった。うれしかった。
  • 初めてわかったこともあったのでガイドをしてよかった。
  • 黒石市のいいところは自慢したいと思った。
  • 恥ずかしかったけど楽しくできてよかった。
  • 緊張して目を見て話すことができなかった。
  • お客さんがついてきているかの確認が大変だったけど楽しかった。
  • 黒石のことにもっと詳しくなってまたガイドにも挑戦したい。
  • お酒は試飲できなかったけどおいしそうだったので大人になったら友達と飲んでみたい。
  • お殿様がいた場所に自分も今いることがすごいと思った。
  • 認定ガイドになれてうれしかった。
  • 来年は違う場所も調べてガイドしたい。

協力NPOの感想

子ども達のガイドとしての意識がワークショップ、リハーサルと回を重ねていくごとに高まって、自分達の言葉で話そうとしている姿に感動しました。最初は恥ずかしがって声も小さかったのですが、本番では大きな声でハキハキ言えてたことが良かったと思います。参加者もたくさん集まり、見守っていただけたのがありがたかったです。今回の子どもガイドで子ども達が自分の住んでいる街を好きになり、歴史ある街並みを知って誇りに思ってくれたらうれしいです。そして、黒石を離れず、黒石を盛り上げていってくれることを願います。子どもガイドはずっと継続して、ツアーのジュニアガイドが結成されたらいいなと思います。私たちも勉強させていただきました。

その他協力者の感想

これまでも子ども達に地域の良さを伝えるためのイベントは様々あったが、児童館とNPOという形は県内初であり、子ども達に地域の良さを伝え誇りを持ってほしいという児童館側の想いを、まちづくりに取り組むNPOが受け止め協働で行ったことは非常に意義があり、今後他の児童館にとってモデルケースとなるだろう。また、子ども達自身がガイドの内容を考えるところから始め、実際には大人がびっくりするほどの集中力を見せ、それをフォローするNPOの力があったおかげで、想像以上に充実した内容のガイドとなった。

児童館担当者の感想

年々指示を待つ子どもが増えているというとらえ方をしていたが、この事業を通して、大人が忙しく日々を過ごし子どもを「待つ」ことができず指示を与えてしまっているのではないかと感じた。協働の最大のメリットは人員や予算に潤いを与え大人がゆとりを持って子どもと関わることができたこと。結果的に自発的に物事を考え、実践する子ども達の姿が増え、その変化を目の当たりにした。駆け出した子どもたちの可能性は未知数で今後の発展に大きく期待している。「まちそだて会」と「児童館」の強みを生かして、より一層内容の濃い、子どものための事業としてさらに進化させていきたい。