NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2016

北九州市立山王児童館

福岡県北九州市八幡東区

まなぼうさい

タイトル まなぼうさい
協力NPO
  • 九州防災パートナーズ
  • KID's work
その他協力者
  • ふくおかNPOセンター
  • 社会福祉法人 北九州市福祉事業団
開催日時 2016年7月~2017年2月末
開催場所 各児童館、各地域、防災センター、レインボープラザ、市民センターなど
目的

防災に関する知識を拡げ、意識を高める

平成28年4月に発生した熊本地震は、災害は身近なものであること、いつ起きるか分からないことを改めて経験させてくれた。私たちの街、北九州市は災害が少ない街である。そこで、本年度のテーマを「防災」として自然災害について調べること、学ぶこと、学びを形にすることで、防災に対する知識を拡げ、意識を高める活動を実施したい。

過年度の事業成果を活かす

昨年実施した「水探求部」では調べ学習を、一昨年実施した「子ども印刷部」では、地域課題へ目を向けることや表現することについて学んだ。本年度においては、そうした学びの成果を引き続き活かしていける事業としたい。

子どもたちの遊びや学びを支えるネットワークの構築

今まで構築してきた児童館以外の団体(NPO、企業、大学、地域)との関わりをさらに深め、今後ますます必要とされる地域ぐるみの「ネットワーク」作りを促進する。

概要

防災について調べたこと、学んだことを基に「ゲーム」や「紙芝居」「絵本」などを作り、自分たちの防災に関する知識を深める。それらを通じて防災について学ぶことができるよう、他の子どもたちや他の児童館に配布などを行い、学びの成果を広めていく。また地域への防災意識の啓発につなげる。

1. 参加館を募り、各館で子どもたちのプロジェクトチームを立ち上げる

2. 防災について学ぶ・経験する

防災の専門家や地域の災害経験者等から話を聞く
地域の防災施設で災害に疑似体験をする
⇒・災害の種類別・状況別に対応策をまとめてみる。
・学ぶ、考える、想像する。

3. 「ゲーム」「紙芝居」「絵本」のストーリーや作り方を考え、作成する

ボードゲームやカードゲームなど、どのようにして作るかを考える。
⇒以前の取り組み(H26年度:子ども印刷部/H27年度:水探究部)をゲーム作成する際に、調べ学習や印刷物の表現という形で活かしながら活動する。

5. 報告・体験会

各館の発表などを行い、非常食の試食など防災や避難に関する体験を行う。また、作った防災啓発ゲームなどを紹介し、体験する。

6. 他館頒布(出来れば)

作ったゲームを他館やそれぞれの地域に配布し、啓発する(ゲームをきっかけに施設や地域に防災意識や知識を広める)。

北九州市立山王児童館について

連絡先

住所 〒805-0052
福岡県北九州市八幡東区西丸山町2-1
八幡東区社会福祉センター3階
電話番号 093-671-3995

レポート

当日の様子

共通プログラム1

福岡市民防災センターで地震・強風・火災・消火・水害の体験をしました。

共通プログラム2

東日本大震災・釜石の奇跡・熊本地震などの話を聞きました。防災カードの作り方を学び、地域での「子ども発信」の防災意識向上を計画してみました。

  • 南小倉児童館

    地域を歩き、危険個所を見つける。分かりやすくジオラマにして再確認しました。地域文化祭で展示し、地域に向けて発信しました。

  • 小嶺児童館

    北九州市での水害の実例を聞き、地域を歩き、防災安全マップを作りました。

  • 山王児童館

    地域イベントで非常食を試食したり、災害時の障害者支援について学びました。安価に出来る非常袋を考え、実際に買い物に行って作りました。

  • 中島児童館

    避難訓練で「地震体験」をし、地域の年長者へのインタビューと地域を歩いて回ったことで、今昔の地域の様子を知りました。それを基に、前回のどんどこPJで培った「絵本作り」のノウハウを生かし、絵本を作製しました。

  • 南曽根児童館

    地域散策や共通プログラムで学んだことを基に、防災マップや備蓄品・持ち出しリストなどを作成、地域の防災意識の向上のため、児童館イベントで「防災カフェ/ぴこカフェ」を開店し、配布しました。

  • 避難生活体験@みかんの家(南小倉児童館+山王児童館)

    KID′s work「みかんの家」で一泊二日の体験を行いました。

  • まとめの報告会

    平成29年2月12日(日)旧大連航路上屋にて、5館集まっての活動発表会「こども自身~自分の身は自分で守る~」を開催しました。試食や寸劇など、各館趣向を凝らした発表を行いました。また、防災意識の向上について考え、ワークショップとして、物品カードを使って、MY非常用袋を作ってみました。

よかったこと

  • 防災について、子どもたちと一緒に体験し、指導を受けて、災害の少ない北九州で、改めて、日頃の準備の大切さを感じ、知識として自分自身にも勉強になりました。
  • 実際、災害現場で活動をされていることを聞くことが出来ました。
  • 地域をNPOの方と、一緒に歩くことで、今まで何気なく見ていた場所や、地面の高低差、避難経路について、改めて危険箇所を理解出来ました。
  • 子どもたちから、災害について勉強させる必要性をすごく感じました。
  • 5館のこどもたちが、それぞれの取組について、色々工夫をして発表会を通して多くの取り組みが出来たと思います。
  • 多くの情報やアドバイスをもらって、防災に対する自覚が生まれ、楽しく活動することが出来ました。
  • 職員も、5館の参加でより多くの意見交換ができ、新しい発見をすることが出来ました。

子どもたちの声

  • 災害の事についてたくさん知ることが出来て良かったです。地震・津波・台風・大雨など自然は怖い事がわかりました。
  • 他の児童館の発表もすごかったので、まねしたいです。
  • 活動をいかして、災害には十分気を付けようと思います。
  • 地震や津波などがおきたら、学んだ事を思い出し、防災袋や段ボールの仕切りを活用したいです。
  • 最初は自信ないと思っていたが、やり終えてとても良かったです。次のどんどこプロジェクトがとても楽しみです。
  • みんなが「おいしい」と言って喜んでくれたので、とてもうれしかったです。「ジオラマ」や「劇」はとてもわかりやすかったです。
  • もし災害がおきたときは「防災カフェ」でみんなをほっとなごませたいです。
  • 防災袋」の中身は必要なものを考えて入れないといけない事がわかりました。
  • 他の児童館の取り組みをみて、自分もやりたいと興味を持ちました。
  • 毎日歩いているところに危ない場所があることに驚きました。いろいろな発見があって、地域に出ていくことはとても楽しかったです。

協力NPOの感想

今年初めて参加しましたが、これまでの取り組みでしっかりとした基礎ができていると思いました。そこでその経験を踏まえて今回は「ぼうさい」の視点から、「子どもたちが、『自分の身は自分で守る』意識を持ち、行動していくためにはどのようにすればよいか。」という課題の提起から取り組みをはじめました。また具体的な取り組みについては、各館ごとにその館の地域の特性を考慮し、子どもたちとともに考えていくことができました。反省点として、取り組みを具体化させていく中で、もう少し各館と緊密に連携を取るべきであったと思います。

北九州市では10年近く継続して協働事業に取り組まれてきましたが、今年度は、ここ数年来の複数児童館での協働の、下記の点での経験が随所に生きている印象でした。

  • テーマ設定から、NPOとの協働による企画を詰めるまでの流れ(内容をあらかた確定してからではない、青写真の段階からの検討)
  • 子どもたちの主体性(特に継続参加している子どもたち/中学生の参加も)
  • 児童館間の"ほうれんそう"(進捗に差異が出てきても助言ないしフォローしあえる関係性)

他方、今年度のテーマへの専門性を有するNPOが新規の協働先となり、複数のNPOと協働する形が取られたため、こうした場合のNPO間の連携(情報共有含む)や、児童館とNPOとの役割分担のあり方について、もう少し早期での詰めが必要だったように感じています。

今後も、これまで参加されたことのない児童館に「どんどこ」の醍醐味を少しでも感じていただく機会があればと願ってやみません。

これまで長らく、協働NPOとして参加させていただいていました北九州のどんどこプロジェクト。今年度は、申請前のミーティングと最終の報告会に参加させていただく形になりました。

「防災」というテーマを通じて見せていただいた各館取り組みには、それぞれの児童館の持ち味やこれまでのどんどこでの経験、積み重ねが随所に感じられました。

今年度のこうした成果に至るには、児童館の先生方の想いと、プロジェクト実施に至るミーティングを通しての児童館、NPOの関係があってこそ。ふくおかNPOセンターの古賀さん、九州防災パートナーズの藤澤さんのご尽力を感じました。

北九州のどんどこも新しいステージに入っているとも感じています。次年度は、今年度の取り組みをベースにどのような取り組みになるのか。どんどこファンとして注目していきたいです。

その他協力者の感想

各館それぞれ、自分たちの地元の危険箇所や避難場所の確認。また、経験を活かしてのすばらしい発表でした。なかなか北九州市は災害の自覚がない地域ですが、自分で体験したことをより多くの人たちに知ってもらえるようになるとよいと思います。

「冷たいカレー意外においしいね♪」・・・ほんとに!ごはん入りの非常食カレー私も初めて食べました。「非常袋って、たくさん入るね~!」・・・非常袋に入れたらいいものカード。何を1番に入れたらいいか?真剣に考えてしまいました。子ども達の声。つくづく『体感する』って、貴重だなと思いました。

災害のニュースを見るたびに、いつか持ち出しバッグを用意しなければと思いつつなかなか手をつけられずにいましたが、100円グッズで手軽に揃えられることが分かり、ハードルが低くなりました。早速揃えてみようと思います。また、持ち出し袋に入れるもののリストで、子どもたちから「ゲーム」や「折り紙」が出ていて、はじめは「非常時なのに」と思いましたが、そういう時こそ娯楽も必要かと思い、子どもならではの発想に逆に教えられました。

「まなぼうさい」に参加させていただきました。毎年、子どもたち・児童厚生員・NPOの皆さんすべてが主体となって作り上げていて、これが、北九州市の児童館に定着した事に驚きとともに、喜びも感じています。

イベントでは、子どもたちが、非常防災袋の中身を皆で話し合って、協同でつくりあげる姿を拝見しました。子どもたちが、真剣に考えながらも、楽しんで作り上げている様子がまじまじと感じられ、これは、受け身だけのイベントではない、皆で作り上げたイベントだからこそできる姿だと実感しました。

児童館も、地域地域で立地の条件も様々です。自分たちが、地域で、学校で、このイベントの取り組みを、個々の所属で、主体的な立場となって、取り組む事が出来るのではないかと感じ、頼もしく、また楽しみにも感じました。

児童館担当者の感想

10年目の今年も素晴らしいテーマ選定でした。各館の違った切り口でのアプローチにより、気づきの視点が広がったと思います。そういう私も、防災について、どこか他人事のように考えていた者の一人ですが、様々な視点から勉強させていただきました。これも子どもたちの純粋で真摯なまなざしのなせることかもしれません...改めて関係者各位のご支援に心から感謝申し上げるとともに、「どんどこ」の活動が多くの児童館(子どもたち)に広がりを持てるよう取り組んでいきたいと思いました。一年間の活動、お疲れさまでした。