NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2020

仙台市八本松児童館

宮城県仙台市太白区

「児童館が街のほっとステーション」全世代がつながる地域参画プログラム

協力NPO
  • NPO法人 つながりデザインセンター・あすと長町
  • 東北工業大学
その他協力者
  • G&G(グランパ&グランマの会)
  • 近隣保育園・幼稚園・民間児童クラブ
  • 近隣老人ホーム・デイサービス
  • おやじの会
開催場所 仙台市八本松児童館と近隣施設
目的 地域の人や団体が事業を通して児童館に集い、協力・連携をしながら子どもたちが家族以外の大人(人と人)が繋がる。また、地域団体が枠にとらわれず連携をする中で、地域の子どもたちを地域で育てていく。
概要

※採択時の情報です。新型コロナウイルス感染拡大予防のため内容が変更になる場合があります。

自然のものを使った『木の実マーケット』を通し、初めてのおつかいや売買体験。『G&Gクッキング』を通し、家族以外の知らない人たちがテーブルを囲み食事を楽しむ。昨年度メインで実施した防災プロジェクト『防災キャンプ』を、子ども一人ひとりが挑戦し自分の体験を通して自ら考え行動し、遊び(学び)を経験に変えていけるようにする。3つの事業を通し、地域の様々な個人や団体が児童館での活動に気軽に参画できる環境づくりと、地域がより安心して子育てができるよう児童館が核となって実施していく。

仙台市八本松児童館について

連絡先

住所 〒982-0001
宮城県仙台市太白区八本松2-4-20
電話番号 022-249-1821

レポート

当日の様子

コロナ禍の中、開催自体が危ぶまれましたが、2つの柱に分けて事業を実施しました。どちらにおいても、子どもだけではなく、地域の大人も一緒に参加しヒト・モノ・コトを繋ぐイベントとなりました。

防災プログラム

1回目:9月

つ目の柱は防災プログラムです。年々災害の頻度が増える中、すぐ近くを広瀬川が流れる八本松地区は、水害時の浸水地域に指定されています。新柄コロナウイルスの感染拡大予防のため、集合形式の防災プログラムに代えて、防災グッズや啓発資料の配布を行いました。一人ひとりの防災への意識を高めるため、配布するグッズについても、実際に避難所で配布される非常食や、携帯用トイレなど水害を意識した物品を配布しました。

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2回目:2月

子育て家庭でもできる備えとして、講話とワークショップを実施しました。東日本大震災当時に、名取市閖上保育所で所長をしていた佐竹悦子さんをお招きし、「子どもがいる家庭でできる備え」というテーマの講話と、サラダオイルで作るランタンづくりを実施しました。参加者全員が“命を守るための備え”を再確認することができました。

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どんぐりマーケット

もう1つの柱はどんぐりや木の実を通貨とする「どんぐりマーケット」、11月に4日間実施しました。子どもたちが作ったものを買ってもらう他、地域住民の方や中学校の美術部の生徒さんにも協力してもらい、1,000点以上の作品が並びました。開催期間中には近隣の保育園の園児がお散歩の途中に拾ったどんぐりを片手に買い物をするなど、地域の子どもをはじめ、大人の方にもたくさんご来場いただきました。

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よかったこと

コロナ禍の影響で人と人が一緒にいる時間を短くする観点から、Googleフォームなどのツールを使うことを勧められ、他の児童館事業でも活用することができました。防災や街づくりの活動をしている協働相手のため、児童館とは違う広い視点からアドバイスをたくさんもらいました。地域の方との繋がりや地域を巻き込んで事業をする上で、広く知ってもらう為にはどのようにすることがいいのか、自分たちで満足しないためのアンケートの取り方等、様々な視点からアドバイスを貰えたことで、コロナ禍ではありましたが事業を成功させることができました。

こどもたちの声

  • 大雨や地震が増えてきて、何かあった時に覚えておきたい。
  • 学校でも勉強でやったけど、非常食とかは食べたことが無かったので家で食べてみようと思った。
  • どんぐりマーケットが楽しかった。自分たちが作った商品が売れると嬉しい。またやりたい。
  • どんぐりが少なくて、どこに拾いに行ったらいいか分からなかった。

協力NPOの感想

2020年度のどんどこプロジェクトでは、コロナ禍という難しい状況の中、工夫をこらし3回のイベントを実施しました。

9月の防災グッズ配布は、市の管轄部署等からの制約が厳しくなる中、最低限の接触で実施できる内容を模索し、防災意識の啓発だけでなく、コロナ禍で引きこもりを余儀なくされていた親子らに貴重な外出の機会となりました。11月に実施したどんぐりマーケットは、マーケット出品物の制作、交換貨幣としてのどんぐり採集、当日の売り子・買い物体験など、多様な場面で参加ができる優れた企画でした。2月の講話は、東日本大震災からの体験を踏まえた心構えと実用的なノウハウを聞くことができ、平時の備えの大切さを改めて強く認識する機会となりました。

当法人は、状況下から開催日の具体的な協働は難しかったものの、それぞれの企画段階で相談、打ち合わせ等に参加し、意見交換をさせていただきました。アンケート等のオンライン実施について当法人の助言が寄与できたものと嬉しく思っています。

多くの児童館が行政の指定管理業務の範疇にとどまるなか、独自の企画を立て、 積極的に地域の福祉施設やNPOとつながりを広げようという八本松児童館の取組みは、意欲的で特筆に値するものであり、今後も、このつながりを大切に、双方の取組みの広がりや質の向上につなげたいです。

その他協力者の感想

中学生が活躍する場を与えてもらい感謝している。地域の一人として、これからも一緒に活動をしていきたい(郡山中学校)

児童館担当者の感想

防災については、年々積み重ねてきたことをさらにバージョンアップすることができました。行政とも繋がることができ、より一層防災について地域の方々と連携が深まってきているので、引き続き、地域住民とのつながりを大切に実施していきたいです。