NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2012

壬生町児童館

栃木県下都賀郡壬生町

プログラム

黒川にサケをよびもどそう!

タイトル 黒川にサケをよびもどそう!
協力NPO 夢くらぶ むつみ
その他協力者 ありんこ保育園
日時 2012年06月09日 植樹
2012年08月07日 黒川水棲生物調査
2013年02月16日 サケの稚魚放流
場所 06月09日:黒川の源流、小来川(おころがわ)
08月07日:東雲公園付近
02月16日:東雲公園付近
ねらい 壬生町中央を流れる黒川の自然を次の代まで守りたい思いから植樹活動を通し、渇水を防止したサケの受精卵を飼育し、「命の不思議」「命の1尊さ」「命のいとおしさ」を学び、清流を町民と児童で守り続けていく。
概要 植樹…
黒川の源流付近の山(小来川)に落葉樹の苗を植え、保水力の高い山を作る。バス2台で出向き、山地元の方々と共に交流してくる。

調査…
川に棲む生物を調べる。

放流会…
12月10日よりサケの受精卵を児童館、各家庭で飼育し始め、2月16日には保育園、育成会の方々と一緒に黒川と稚魚を放流する。あわせて交流会も催す。

レポート

当日の様子・子どもたちの声

当日の様子

6月の植樹は雨の一日でした。3台のバスで出発しました。児童館からは6名参加しました。1時間半かかり、山の奥の小来川ふれあい交流館に到着しました。地元の方に出迎えて頂き、山の現状のお話(鹿害、村の高齢化)を聞きました。それから、グループに分かれて、桜や橡の落葉樹の苗を交流館近くの斜面にスコップで穴を掘り、植えました。雨の中の作業だったので重く、どろどろの土をかぶせるのが大変でした。地元の方は「雨でちょうどいい!」と、当たり前のようなとらえ方でした。それから、山を散策しながら、苗が鹿に食べられてしまった現場を知りました。交流館に戻ってからそば打ち体験をしました。地元の方が傍で教えてくださり、すぐにゆでて食べてきました。これぞ、そば!風味があり最高においしかったです。

 

8月の水瀬昆虫調査には約200人の児童、職員が集まりました。児童館では20名が参加しました。三角コーナーの網と金ハンガーを利用して四角の網を作り、水中に浮遊している虫や川底の石をひっくり返して、虫、貝をバケツに採取しました。川の水の流れや穏やか所を狙ってじりじりと照りつける中、1時間夢中で探しました。栃木農業高校の一杉先生の指導の下カゲロウの幼虫、トビビラ、カワゲラの名前を知りました。昨年より種類が少なくなりましたが、黒川の水はきれいでした。さけが遡上し産卵できる清流にするため、参加者で河原のゴミ拾いをしました。

 

サケの受精卵の飼育を12月10日から開始しました。今年は那珂川北部漁協(太田原市)より分けてもらいました。飼育希望者を募り23人の利用者に12~15粒ずつ分けました。1週間ぐらいで孵化してお腹にいくらを抱えて養分を取っていました。1月10日よりいくらはお腹に吸収され、粉末のえさを与えるようにしました。児童館利用者がえさをあげたり観察して約2か月間飼育しました。水温8~12度に管理するのが大変でしたが、孵化の瞬間に感動し、お腹にいくら(ヨークサック)をかかえたまま泳いでいる姿は何度見てもとても滑稽でした。

放流会当日も北風が強い中、NPO夢くらぶ“むつみ”、六美南部育成会、児童館親子52名が集合しました。各々稚魚バケツを持ちより、整列しました。NPO夢くらぶ“むつみ”の佐々木剛さん進行のもと、下都賀漁連の早乙女明さんにサケの稚魚のゆくえや遡上についての話がありました。それから黒川の主流に並び、一斉に静かにゆっくりと稚魚を放しました。石の下にもぐってしまう稚魚、ススーイとすぐに姿が見えなくなってしまった稚魚などまちまちでしたので、しばらく見守ってみていました。「元気でね!」「また、戻ってきてね。」突然2歳の女の子が泣きだし、「お水が冷たくて死んじゃうよ。死んじゃうよ!」と叫んだり、4歳児は「遠い海まで泳いでいけるかな?」「冷たい水で動かないね。」など心配していました。今年も放流後河川のゴミを拾いながら歩き、しののめ公園でくじびきを楽しみました。触れ合い遊びを準備していましたが、あまりの寒さと強風で省略となりました。来年も協働したい思いを伝え、NPO,育成会の皆さんに感謝して終了となりました。

子どもたちの声

植樹に参加した子は「植樹した橡が鹿に食べられて、枯れてしまうかもしれないのは残念だね。」「山を守りたいけど、鹿も守ってあげたいね。」と心配していました。また、鮭の受精卵を家で育てた子は「どっちが大きくなったかな?うちのほうが太ってきたよ」と成長を喜び合っていました。「また、育てたい。」の強い気持ちの声がありました。

児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者

今回もプロジェクトに参加させていただきまして、ますます地域に飛び出していく楽しさ、そしてみなさんのすんなりと受け入れてくださる暖かさに感謝します。児童館が地元のNPOの方とお互いに特質をかみ合わせ、児童健全育成に励みたいと思います。児童館の役割としても人と人をつなぎ、地域の人々と共に育ちあえる児童館でありたいと思います。

協力NPO

NPO夢くらぶ“むつみ”と壬生町児童館との連携も今年で3年目を迎えました。6月の黒川の源流域への植樹活動、12月のサケの稚魚を育て黒川に放流する活動等、特に児童館の活動に参加しておられる親子さんは自然との共生や環境教育、子育てへの意識も高く、NPOの諸活動に共に参加していただくことでますます活発な活動となり、これからも児童館との連携を今後も大切に育てていきたいと思っています。

この事業で得られたこと

サケの受精卵配布を町の広報に掲載すると児童館利用者以外を含め飼育希望者が23名になりました。命を育む体験を通して成長の喜びを味わえたと思います。NPO夢くらぶ”むつみ“さんには大変お世話になりました。次年度も川の自然を守るため、山で植樹活動してみたいと思います。そのために館利用の方にもしっかり広報したいと思います。

壬生町児童館について


大きな地図で見る

連絡先

住所 〒321-0226
栃木県下都賀郡壬生町壬生丁281番地
電話番号 0282-82-7388