NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2012

学び場 寺子屋どんぶり

東京都

プログラム

タイトル

あそびの王国

1 ぐんてマンとあそぼう!と絵本の読み聞かせ
2 キラキランプを作ろう
3 〜身体をつかって遊ぼう〜 立体4コマ
4 もこもこ羊毛ワークショップ
5 ドラムをたたいて、音を出してみんなで遊ぼう
6 からだをつかって作品をつくろう!
実施児童館 キッズ・プラザ武蔵台
その他協力者 634キッズ応援隊ぴょこたん
日時
1 2012年11月21日(水)
2 2012年12月12日(水)
3 2013年1月13日(日)
4 2013年1月23日(水)
5 2013年2月2日(土)
6 2013年2月13日(水)
場所 キッズ・プラザ武蔵台
ねらい
1

あそびを通して美術や絵本の世界に気軽に触れることができるワークショップ。子どもたちに自由に素材を選びながら制作する楽しさ、絵本の世界を一緒に味わう時間を過ごすことで自発的な「学び」と「発見」を体験してもらうとともに、異なる年齢間の交流を促す。自分を表現することの喜び、友だちの表現に関心をもったり、人の気持ちや状態を思いやることや自分を受け入れてもらうことが心地良いことなのだと体験してもらえるような場つくりをめざす。日常生活の中に制作に役立つ素材を探し出し、利用する工夫やオリジナル作品を作る楽しみだけではなく、友達同士で作品を展示し記念写真をとることを通して、制作、展示、観賞を体験する。

2

はさみやのりを上手に使って工作を楽しむ。自分のオリジナリティを出せる。

自分でロウソクに火をつけて、探検に行ってみるといういつもはできない体験を通して、ちょっと勇気を出したり、友達と協力して目的(文字を読み取ってくる)を達せする喜びを感じられる。

3

<グループ作業としてのねらい>

●集団としての想像

・他人に自分のアイデアを伝える

・他人のアイデアを受け入れる

・物事を取捨選択して行く

●集団としての創作

・自分の役割を考え、行動する

・観るという作業を通して、自分のしていることを客観的に知る

<個人作業としてのねらい>

●想像力の開放

●イメージの具現化

4

人間との関わりが強いひつじのことを学ぶことで、自然や生き物への興味を育む。身近な素材の一つであり、変化が楽しい羊毛を使って、オブジェや指人形を製作することで、想像力を育み、自然の関わりの中で人間の生活もうまく共存していくことを学ぶ。

5 リズム遊びなどを通して、身体を使って自然に音楽に触れていくWS、
こどもたちは音を出したりするだけではなく、他の子ども達とセッションする事を通じて、年齢や経験を超えた一体感と「学び」を体験す
6

・あそびを通して演劇に気軽に触れることができる。

・演劇を通して、子どもたちに柔軟で多様な表現方法と、自発的な「学び」を体験してもらう。

・グループで一つの作品を作り上げることなどを通して、異なる年齢間の交流を提供する。

・自分自身を表現することの喜び、友だちの表現に関心をもったり、人の気持ちや状態を思いやることや自分を受け入れてもらうことが心地良いことなのだと体験してもらえるような場つくりを提供する。

概要
1

「ぐんてマンとあそぼう!と絵本読み聞かせ」

軍手をつかってオリジナル人形を作り、参加者のぐんてマンをみんなで並べて記念写真を撮る。ぐんてマンの材料は、子供たちが思い思いに家からリサイクル品(ペットボトルキャップやリボン、ボタンなど)を探してもちよる。オープンスペースの中で自由に制作し、合間に俳優による絵本の読み聞かせをして物語を通して空想の世界を広げ、オリジナルキャラクターのイメージを広げる。制作と制作の間に読み聞かせをいれることで、その前後で制作意欲の変化も期待できる。

2

キラキランプを作ろう

型紙を使って画用紙を切り出し、簡単に作れるランプを製作します。ランプができ上がったら、ランプに灯りを灯してちょっぴりドキドキの探検へ出かけます。

3

〜身体をつかって遊ぼう〜 立体4コマ

この立体4コマは、一人でも多人数でも、大人でも子供でもできるワークです。このワークでは、アイデアを出すための想像力、集団創造のためのコミュニケーション能力、観客としての客観力の向上を図ります。そして静止画(ストップモーション)による表現は、演劇教育においても基本的な手段であり、今回は、それを4シーンつなげることによって静の中に動を見出す面白さも味わっていただければと思います。さらに特徴的な事項として、観客が見る時に目をつぶったり、閉じたりすることによって、見る側にも無意識に積極的参加を促すという点が挙げられます。人の作品を集中してみるという機会は、特に低・中学年児童においては貴重な体験であると考えます。

4

もこもこ羊毛ワークショップ

1.羊毛を触りながら、ひつじのひみつを知ろう。

・動画、図鑑、絵本を見る。

・ひつじの種類、ひつじの暮らし

・ひつじと人羊毛の刈り方、ラノリンのこと

2.糸を紡いでみよう→オブジェ制作

・割り箸と羊毛で実際に自分で糸を紡いでみよう。

3.羊毛フェルトの指人形を作ろう

・羊毛をお湯と洗剤を使ってフェルト状にして形を整えて指人形を作る。 ・お友達と人形劇を作ってみよう。

5

ドラムをたたいて、音を出してみんなで遊ぼう

ドラムサークルファシリテーター(ワークショップデザイナー)を中心に、簡単なリズム遊びから、身体を使って音を出す事、そこから太鼓やその他音の出る物(ペットボトルに米を入れた物等)を使って、楽しみます。

ドラムサークルファシリテーターに促されながら、ドラムを使ったコミュニケーションが生まれ、自分の出している音と相手の音を聞きあいながら、音色を楽しめるようになっていくプログラムです。

全体のセッションでの特徴は、誰かひとりが引っ張るのではなく、ファシリテーターの促しによってリーダーが変化していったり、ファシリテーターが居なくなっても、互いに息を合わせながら音のやり取りが始められる所です。

6

からだをつかって作品をつくろう!

・体を動かしたり、声をだしたりするプログラムを通して五感をつかって自発的な動きを体験する。

・さらに個々に想像したイメージをもとに身体全体で表現する楽しさを体験する。

・まとめは、個々の表現をつなぎあわせて全体で共同作品をつくりあげる達成感を味わう。

レポート ぐんてまんと遊ぼう!+絵本の読み聞かせ

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当日の様子・子どもたちの声

当日の様子
最初の35 分間は≪ぐんてマンであそぼう!≫で、軍手をつかってオリジナルキャラクターを作り、中断してトイレ休憩後、≪絵本の読み聞かせ≫を30分。その後、ぐんてマン作りを再開して15~20分で終了しみんなのぐんてマンを飾って集合写真撮影後解散しました。後半のぐんてマン作りでは、クラブ活動、学童登録児童はおやつ休憩、その
まま制作できる児童など3つのグループに分かれ時間差で流れ解散していくので、早めに集合写真を撮ってから思い思いに作品を仕上げました。はじめに「軍手っていつもはどんな風につかってる?」と声をかけると、「お芋をほる時」「モノを直す時」「野菜をきれいにする時」などいくつも話してくれました。その後4つのテーブルに分かれて、道具を借りたり相談したりおしゃべりしながら、軍手に器用に綿をつめ自分の思い描くキャラクターをどんどん作って、2つ作品を持ち帰る児童も多くいました。絵本読み聞かせは「おならはえらい」「うんこ」「やさしいライオン」「999 匹の兄弟」を2 名の俳優が交代で打楽器などの効果音を交えながら、時にはギターで挿入歌を歌い、圧倒的な表現力で児童たちが演者の前ににじり寄る場面もありました。こどもとの語らいを大事にする自由なスタイルなので、児童の反応にもていねいに答えつつ、使っている楽器の説明もあったりと緩やかな読み聞かせとなりました。物語を知っている児童は一緒にセリフをいう場面もありました。ぐんてマンでは集合写真を撮る際、こどもたちは作品の展示の仕方に大変こだわりがあり、自分のぐんてマンに対する愛着のようなものが伝わってくるようでした。
子どもたちの声
  • ぐんてマンをもっと作りたい
  • 家に帰って材料を買ってもらって作りたい
  • 指に綿をつめるってどうやるの?
  • 作品は持って帰っていいの?
  • うまくつかないところはグルーガンでつけてください
  • 粘土はちょっとしかもらえないの?
  • 全員がキャラクター名をつけてくれています(別紙参照)絵本をもっと読んでほしい
  • この楽器はどこの楽器?
  • おたまじゃくしはカエルになるんだよ
  • セリフを知ってるよ・ギターを弾いてみたい
  • 楽器をさわってみたい
よかったこと
事前準備から実施日まで、丁寧なやりとりをさせていただいたことで当日の進行が大変
スムーズに安全に行われました。特に事前に行ってくださった広報活動は当日のワー
クショップまでワクワク感を演出していただき、プログラムのご理解とご協力の結果が参
加人数にも表れたと思います。また当日は個別にケアの必要な児童3名に支援職員が
1名づつあたってくださり、その都度進行を双方で確かめつつ時間配分できたことも安
全に楽しく実施できた成果だと思います。日頃から児童を良くご存じで、信頼関係をきづかれている職員の方の協力があってこそプログラムの本来の力が発揮できたと思います。小学生の日頃の生活状況なども、折に触れお話くださったことで私達も配慮できる点がありました。

児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者
子どもたちがワークショップに引き込まれ、自分のぐんてマンに想像力と愛着を持って取り組んでいたのが印象的でした。途中の絵本の読み聞かせも、今度はお話しの世界に引き込まれ、とても集中して聞いていました。そこでまた創作意欲をプラスして、後半の制作につながったと思います。スムーズなプログラムだったと思います。子どもたちのワクワク感を大切に丁寧に声かけして進行してくださったのが、子どもたち
の満足感につながったと思います。ただ、子どもたちがぐんてマンを何個も作りたがったので、一つを大事に創ることも良かったかと思いますし、時間と材料に限りもあるので、材料の渡し方などには工夫も必要かと思いました。
協力NPO
キッズプラザの職員の方のご協力ご理解と事前準備で安全に楽しくワークショップを実施することができました。物語性とワークショップということで、入間市青少年活動センター(2011 年)における2 日間の絵本ワークショップに続き、1 日で演劇と造形の2つのプログラムを交互に行うのは初めての試みでしたが、その意義を職員の方々とも共有することができて次への足がかりにもなりました。時間に追われる子どもたちの日常生活の中で、継続的にしかもアプローチしやすいプログラム作りを考えています。ぐんてマンは、2009 年より各地の文化施設、小学校の授業でも実施され、介護支援や子育て支援の講座のコミュニケーションツールとしても体験していただいています。絵本読み聞かせは現役の舞台俳優による、情感や身体的表現をつかった本物の語り場を教室に出現させるだけでなく、こどもたちの想像力をかきたてるような世界を一緒につくっていこうとする試みです。その後、ぐんてマンのグルーガンを使った接着場所では、俳優の石本さんが「ここはオペ室。ちょっと熱いグルーガンで直すからぐんてマンの手をにぎってあげてて」と話すと子どもたちがそっと自分のぐんてマンに手をそえているのが印象的でした。子どもたちをとりまく環境や状況を考えつつ、そこで従事しておられる職員の方々と協働でワークショップを実施する意義深さを今回も痛感しました。
この事業で得られたこと
プログラム自体の質を維持しつつ、こどもたちの日常を知りながらプログラムの楽しさ、学びをどのように伝えていくか、また先方で望まれている事にオーダーメードでプログラムを作っていく必要性も感じます。学年に応じて、あるいは学校行事やその他のニーズに合わせて、ワークショップの専門性が活かされるように双方での情報共有など交流が継続的に行われることによって、場をあたためた上で実施することが望ましいと思います。そういう意味ではこの1 回目から最終回までの実施を通して、どのような成果があがるか大切に活動していきたいと思っています。

レポート キラキランプを作ろう

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当日の様子・子どもたちの声

当日の様子 1テーブル9名のグループに分かれて入室。今日のお約束(部屋の使い方、道具の使い方、進行の仕方)を話してから、プログラムを開始しました。

画用紙よりは厚くて固い紙を自分で折って、自分でパーツを製作していきます。スタッフの手順通りに1年生から4年生までがんばってパーツに分けていました。少し時間がかかる子もいましたが、真剣に自分と素材とで向き合っている姿が印象的で、次は何の作業だろうとワクワクしているのが伝わってきました。

ベースのパーツができたら、アルミホイルを紙に巻いていきます。大和糊を手で紙に塗りながらの作業は、いつもと違う感触のようで、糊と柔らかいアルミホイルの扱いに苦労しながらも、徐々にランプがきらきらに巻かれていきます。

途中の時間で帰らなくてはいけないこどもは、作り途中までの製作物と作り方、電気ロウソクをお持ち帰りしました。

完成して、時間が許す子どもたち(半数)は隣の部屋へランプを持って探険に行きました。暗い通路(10歩くらいの距離)を歩いた先には『何がはいっているんだろう?』の箱があり、ランプで照らして中に入っているものを確認します。そのまま出口まで歩く途中に箱の中に入っていたものの答えを投票する3つの穴があって、自分がこれだ!と思ったところにどんぐりを入れて投票します。

全員の探検が終わったら、答え合わせ。どんぐりの投票数の発表と

中に入っていた物をスタッフが発表して、プログラムは終了です。

子どもたちの声 「紙を切って折るのは以外と大変。」、「アルミホイルを糊ではるとツルツルして気持ちいい。」、「これとこれを組み合わせるんだ!わかった!」など、気づいた!分かった!という発言が多かったです。最後の探険では、勇気を出して暗闇へ。友達と協力したり、自分1人でも勇気を出して「行ってみる。」とランプを掲げた子。それぞれいつもとは違う体験ができたのではないかと思います。
よかったこと

1枚の平面の紙から立体物ができあがることを体験して、最後まで集中力を切らさずに製作してくれたことはすばらしかったです。探検をする時のドキドキ感はこちらにも伝わってきました。自分の作ったランプで、灯りや光で物を照らして見ることにも、こども達は夢中でした。

スタッフのみなさんが、事前の広報活動から、持ち物への配慮など、徐々に当日への期待感を持っていってくれたことが、当日のプログラムへの集中力を生んでくれました。

また、当日は時間が押してしまい、こども達への製作のフォローもしなければいけない展開で、スタッフのみなさんが臨機応変にこども達をサポートしてくれたので、途中で帰ったこども達も自分でやりきった感いっぱいだったようです。恊働でき、それぞれの立場からこども達へアプローチできたこおは非常に助かりましたし、何よりこども達のためにプラスとなりました。

プログラムがスムーズに進行するために、こども達のグループ分けへの配慮や、障害児への適切なフォローなども、日頃からこども達に接しているスタッフならではの細やかさで、恊働したことにより製作に集中する場作りができたと思います。

児童館・協力NPO・その他協力者

協力NPO

とにかく、子ども達の集中力が持続したのが印象的でした。学年が違ったりして、製作スピードが揃っていたわけではないので、待たなくては行けない場面もありましたが、次の作業を想像しながら上手に待つことができたり、友達や下の学年の子の手伝いをしたりする姿も見られました。途中で帰宅時間となり、製作途中での退出児童も、それまでの行程でやりきったことに満足できているようでした。

事前準備から撤収まで館のスタッフの方が非常に協力的であったことにも感謝しています。スタッフのみなさんもプログラムを楽しんでくれたことも、子ども達を本気にさせるスイッチであると思います。物を製作し、その後にアクティビテイがあると、子ども達の想像力が広がっていくことも実感しました。
この事業で得られたこと

子ども達の日常生活や性格などを熟知しているスタッフとの連携があると、きめ細やかな対応でこどもたちが作業に集中できる環境を整えてあげることができることが恊働して行うメリットのひとつであると思います。また、プログラムもその場の施設や環境をうまく利用することで、ダイナミックな場作りも可能です。(今回は実施場所:ランチルームの隣の空きスペースの暗闇をうまく利用できました。)事前の打ち合わせや準備を双方で確認しつつ進めて行く必要があることを再確認しました。

レポート 〜身体をつかって遊ぼう〜 立体4コマ劇場

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当日の様子・子どもたちの声

当日の様子

ランチルームにみんなで来ると、ファシリテーターが出迎えます。まずはアイスブレイク。円になって自分の靴をとなりの子に回していくゲームをします。ちゃんとできることが目的ではなく、場やメンバーに馴染むこと、緊張がほfぐれることが目的です。失敗しても笑いがおきていたので、ここで失敗しても大丈夫だという安心感を得ていきました。

 次に立体4コマの説明です。見せる方が分かり易いので、口頭で説明ではなく、実演をしました。こどもたちは「オープン」「クローズ」の合図で目を開けたり閉じたりします。

スタッフと職員の見本で、すぐにやることを理解した様子でした。そして、何より、目を開けたり閉じたりしてできる4コマのおもしろさに、笑顔が溢れていました。

 前もってキッズ・プラザの職員の方がわけてくれた2グループになります。ファシリテータが1グループに1人、職員も1人づつつきます。

 最初は「お題:花」をみんなで創作します。1年生を中心とした低学年が多かったのですが、グループ内の3年生が中心となって話し合いが進みます。最初はみんなバラバラの意見ですが、ある意見をきっかけに、「いいね、いいね」と話しがまとまったり、3年生が演技指導する場面が見られたり、普段はいっしょに行動しないグループですがこどもたちとファシリテータの工夫でコミュニケーションが深まっていきました。

完成後は、お互いのグループの作品を観賞し合います。2グループとも個性ある花を作り出しました。

 次は、お題がなく、自由に創作します。各グループでアイディアを絵にしたり、絵コンテを作ったりして、やりたいことの共有をしていきました。

メンバー同志で慣れてきたこともあり、話しが脱線したり、意見がかみ合わなかったりする場面もありつつ、3年生がうまくまとめ役として動いたり、1年生が監督役として創っていくなど、ファシリテーターのアドバイスもうまく作用して創作されていきました。

 お互いの発表は、自分たちでオープン・クローズを積極的に楽しんでいました。また、発表ごとにファシリテーターが解説をするのですが、自分のよかったこと、工夫したことを認めてもらえると、こどもたちは満足げだったり、うれしそうだったり、意外そうだったりする表情に、表現することへの自信もできたのではないかと思います

最後は、ワークショップ中の様子を振り返りムービーとしてみんなで観ました。自分が演じている時を客観的に観られて、よい振り返りの場となりました。
子どもたちの声 楽しかった〜と言って満足顔で終了しました。いつもとは違う役割を持ってグループと関わった子が数名いて、仕事を任せられたり、リーダーとして責任感を持ったりと、その子なりのチャレンジがあったようです。自分の意見が全て反映されないことに不満があっても、グループとしての創作に主眼をおいて、意見をすり合わせることができたという内容のコメントもありました。そこが満足感や自己肯定につながっていることが分かります。振り返る時に、自分はここを工夫したと話したり、ファシリテーターからよく考えて動いたことを褒められたりと、振り返りは大切な時間でした。
よかったこと ■ランチルームで体を動かせる(日頃と違う身体の使いかたができる)ことへの子どもたちのワクワク感を強く感じることができました。
■男の子が多かったが、女の子も積極的にアイデアを出し参加していました。
■いろいろな子がところどころ躊躇したりワークから離れそうになりかけている局面でのキッズプラザスタッフの目配せと促しが素敵でした。
■1回目の創作。デモ作品通りの「花」からもっと自分たちのアイデアを、と子どもたちが考えているとき、一人の子から「球根をやる」という意見が出てきて、みんなの頭と体が一斉に動き出す場面がありました。この日のひとつのハイライトだったと思います。
■2回目の創作。みんなのアイデアが溢れてまとまらなくなりかけたとき、ひとりの子が全体を統合できそうなイメージを口にしていたのをメインファシリテーターが見逃さず、その子をディレクターにしました。一年生の子でしたが、メインファシリテーターの促しの後自ら全体をデザインし出し、周りの子もあれこれ言いながらもその子のイメージを共有しようとしていました。ディレクターと演者たちが相手を受け入れつつ自分のアイデアも出していく、素敵な創作光景の可能性を感じました。
■他学年が混じった参加者編成でしたが、それを感じさせませんでした。遊び場を共有する意識が自然に働いていました。
■総じて「(思い思いに)はしゃぐ」と「(力を合わせて)楽しむ」と「(未知の世界に)足を踏み入れてみる」がいいバランスで共存した時間になったと思います。

児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者

人数は少なかったが、その事で創造力を膨らませて自分の感じたことや考えた事を自由に言うことができていた。自分の話をまわりの仲間や大人が耳を傾けてくれ、取り入れられ、楽しいだけではなく、気持ちも充実できたと思う。普段体験できない事なので、子どもたちは世界に引き込まれ、笑い声が絶えなかった。途中、集中力が切れかかった時があったが、メインファシリテーターや他のファシリテーターの声かけで、子どもたちの気持ちが盛り上がって、次の発想へと広がっていた。実施中、何度か危ない場面があったので物の配置の工夫や子どもたちの危険な行為が始まったら、気持ちを切り替えるような設定など必要だった。

子どもの動きがあるプログラムには、全体の安全を見守る大人が必要だと感じた。
この事業で得られたこと

こどもたちが主体性を持ってアイデアを出すための想像力、集団創造のためのコミュニケーション能力、観客としての客観力を発揮していました。

子どもと日常的に関わる児童館職員と、外部の専門家が協働することで、子ども達の関係性の変化をより効果的に促すことができたと思います。

 最後の振り返りとしてムービーを使ったのも、自分の動く姿を客観的に観察でき、さらに友達との関係性も再確認できたことはよかったです。

低学年の参加が多く、高学年が入っているとまた少し違った作品作りになるのかも知れませんが、今回のメンバーのなかでの協働やコンセンサスを取るということがうまくできていたのではないかと思います。 

レポート モコモコひつじを作ってあそぼう〜ひつじのことも学べるよ〜

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当日の様子・子どもたちの声

当日の様子

キッズプラザに集合しランチルームへみんなで来ました。児童館スタッフから場所などの注意事項の説明のあと、まずは羊毛の秘密をみんなで学びます。自然観察の一環でもあるワークショップなので、ひつじの生態や人間の生活と深く結びついていることなどを絵本を使って説明します。一人づつ毛糸を渡してどんどんほぐしていきます。それが羊毛という名前だということ、羊の毛を刈って人間が使っていることなどをいっしょに確認しました。自分が着ているセーターだねっと発見する子もいました。その後、「羊毛の秘密=お湯に入れて洗剤で洗うと縮まる」を楽しく体験するために、羊毛工作をしました。

グループごとにカラフルな羊毛が付いている「ひつじ君」から好きな色の羊毛を取っていきます。羊毛でなき笛をくるむようにして洗剤入りのお湯の中で優しく洗うと、どんどん羊毛が縮まっていきます。次は水で洗います。すると羊毛はさらにぎゅっと固まります。固まったところへふわふわの羊毛と目と角をつけてモコモコひつじの出来上がりです。

最後はでき上がったもこもこ羊を手にもって、絵本のお読み聞かせをしました。ひつじがオオカミを追い払うという内容の絵本です。オオカミを追い払うシーンではみんな自分のひつじをピーピー鳴らしていっしょに追い払いました。

そしてそれぞれがオリジナルのひつじを持って帰りました。
子どもたちの声 「ふわふわだね〜、固まってきたね〜、乾くと固いね〜。」子ども達は素材の変化を発見していました。そして、どんどん自分の作品に愛着を持っていました。「ふわふわの毛を大きくつけてみたよ〜、こんな色にしたよ!」など、うれしそうに自分の作品を見せてくれるこども達がやって着て、絵本の読み聞かせでは登場してくるひつじの長老役を決めたりして盛り上がりました。
よかったこと ひつじの生活や羊毛の話を聞きながら、これから扱う素材への興味を持ってくれたことは導入としてよかったです。「羊毛が縮むなら、羊は水に入ると自分の毛が縮んじゃうんじゃない?」という発見をした子もいました。そこからラノリンという油分が水分をはじいていることを話すなど、相互作用で学びが深くなりました。製作では羊毛の扱いがうまくいかず、自分なりに工夫する子や友達との会話でヒントを得るなど、コミュニケーションを取りながらの作業となりました。途中、水で洗う場面では、冷たい水を触るということに慣れていないのでひるむ子もいましたが、グループでいっしょにかけ声をかけて短時間づつがんばるように促し、みんなといっしょだからやれるという感覚も分かち合いました。ファシリテーターの導きもうまく作用していた場面だったと思います。ひとつも同じ作品はなく、色や大きさ、顔の表情など個性あふれるものとなりました。時間がかかってしまった子どもも、児童館スタッフのサポートでプログラムの進行についてくることができました。事前に試作をいっしょに作って打ち合わせをするなどして、児童館スタッフとファシリテーターのプログラムに対する認識が共有できていました。また、作品を完成させるだけではなく、その後絵本の読み聞かせで自分の作品と、友達の作品の世界観が一つになったことも、個人の製作でありながら参加した児童が場を共有した恊働の感覚を持つことにつながったと思います。

児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者 導入で羊への興味を湧かせ、実際に制作するという過程が子どもたちに分かりやすく、創作への意欲に繋った。1年生には時間的に長かった子もいたが、自分の作品に愛着を持ち、最後まで頑張って参加していた。手袋のサイズは、小さすぎたり・大きすぎたりしたので、サイズの幅はあった方が良い。低学年には、作業的に子どもたちに難しい動作もあったので、スムーズに作業が進む工夫も必要。最後にみんなで作った羊を鳴らして、お話の中に参加することで、一体感も生まれた。
協力NPO

子ども達の期待度が高いのが雰囲気で分かる始まりでした。児童館スタッフの促しが上手に作用していたのだと思います。羊毛観察の部分から終始活発な意見が飛び交う自由な場となりました。参加者の大部分が低学年でしたが、積極的に参加し製作をする子ども達の集中力にも驚かされました。

児童館スタッフの的確な児童へのサポートには毎回、感謝しています。その子の特性や個性を理解しているからこそのファシリテーションだなあと思います。
この事業で得られたこと

事前の打ち合わせが十分であったので、児童館スタッフが受付時から製作に対するモチベーションを高めてくれていました。当日のワークショップ中だけではなく、そういった事前の参加者への対応からワークショップのデザインが始まっていることが重要であると思います。毛糸の観察やひつじの話から、子ども達の発見があり知識も深まっていったように、自然観察+造形のワークショップなど、ただ知識を獲得することだけでなく体験、経験を経て自分に残る学びへと発展する場を持つことは、放課後の過ごし方の提案として児童館のプログラムに提案していけるものだと思います。

レポート あそびの王国 ドラムサークル&手づくりアイスクリーム体験

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当日の様子・子どもたちの声

当日の様子

校庭に椅子と沢山のタイコが4重の円を作って並んでいます。世界各地の色とりどりのタイコが並んだ様子は見ているだけでワクワクする光景です。キッズプラザからでき来た子ども達は嬉しそうに思い思いのタイコの前に座っていきます。スタッフも鳴り物を手に子ども達を迎えます。こうなればリズム自然に生まれていきます。ドラムサークル・ファシリテーターの自然な場作りで、今日この場に集まったみんなにしか作れない音楽が生まれていきました。大きくなったり小さくなったり、パートソロや掛け合いがあったり、リズムが変化したり、海を表現してみたり、前後左右の人とつながったり、青空を見上げて飛行機雲を表現したりと、恵まれた天気のもとで思う存分楽しみました。

タイコをありがとうをしてから部屋に入ると、今度はアイスクリーム作り体験です。子ども4~5人と大人1人でグループを作ります。アイスクリーム・ファシリテーターから簡単なクイズなどの後、アイスクリームの作り方が説明されます。それに沿ってグループごとに作っていきます。まず牛乳,生クリーム,砂糖をボトルタイプのアルミ缶に入れてかき混ぜ、しっかりふたをします。ビニール袋に氷と塩をいれてもんだ中にアルミ缶を入れてバスタオルでくるみます。この後、ひとり10秒ずつ思い切り振って次の人へ。3周したところでいよいよふたを開け、スプーンで掻きだして、おいしくいただきました。

子どもたちの声 タイコで、身体で、声で、様々な形での個性豊かな表現が聞かれ、見られました。アイスクリーム作りでは、塩により氷よりももっと冷たくなったマイナス20度の感触に「すげーすげー冷たい」と素直な驚きの声も聞かれました。
よかったこと

■この人数での一体感を得ることはなかなか難しいと思いますが、ドラムサークル・ファシリテーターの絶妙な場作りによって、リズムによる一体感の渦のようなものが感じられました。
■叩けば音がでるタイコは世界にそれを持たない国がないほどベーシックなものですが、このタイコによるコミュニケーションの体験は普段とは少し違う関係性をもたらしているようでした。
■どこかの工場で作られたものを買ってくるだけだと思っていたアイスクリームを自分で作って食べるという体験。牛乳と生クリームと砂糖でアイスクリームってできるんだという素直な驚きがありました。

児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者

子どもたちがリズムにのって、自然に協働作業ができていた。ファシリテーターの方が、みんなが主役になれるよう、そして誰もが楽しめるように展開してくださったのが、更に一体感が生まれたのではと感じた。芝生の校庭で天気も良く、心地よいドラムの音がなり、子どもたちの笑顔も溢れ最高の時間だった。通りすがりの人もドラムの音に惹かれ、様子を見にきていたので、地域効果もあったのでは・・・普段の人間関係と関わりなく、子どもたちが自分を出せたのも良かったです。ファシリの方のテクニックも職員として勉強になりました。アイスクリームも体を使ってみんなで協力して作る楽しさを味わい、なおかつ美味しくて大評判でした。

協力NPO 今回、参加人数も多く短時間で個々の参加者を十分把握するにはどうしても限界があります。しかし普段から子ども達に接している児童館スタッフの方々には、子ども達一人一人にあわせた自然な対応をしていただき、そのお陰で素晴らしい場作りができたのではないかと思います。また、普段の関係性を知っている児童館スタッフの方から、その関係性からの変化について伺うことが出来たことも収穫でした。
この事業で得られたこと

タイコによるコミュニケーションによって普段の関係性を少しズラすという要素は、子どもと日常的に関わる児童館職員と、外部の専門家が協働することで、子ども達の関係性の変化をより効果的に促すことができたと思います。工業製品という認識だったアイスクリームを身近な食材と道具だけで自分で作るという体験により、食べ物に対する興味や考えがちょっと変わるきっかけになればと思います。

レポート ランチルームで山田くんとあそぼう!

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当日の様子・子どもたちの声

当日の様子

山田くんとあそぼう!というタイトルだったので、圧倒的に男子の参加が多くスタッフ側としては安全に楽しく実施できるように会場を整備し、進行中も配慮がありました。

開始当初から子ども達の意欲が高く、アイスブレイクがすでに遊びの始まりとなり俳優の山田さん、小林さん、斎藤さんのまわりを囲むようにして、エア大縄とび、キャッチボール、山田くんをくぐろう(友達同士で手をつないでできる空間をくぐったり、またいだりする)など、夢中になっている様子でした。

その後、山田くんの「3匹のこぶた」の朗読があり、こども達とのやりとりをしながら次の内容、こぶたの家をつくって物語を実演しように移りました。2グループに分かれ、藁の家、レンガの家などを友達と手や足をつなげたりして身体をつかって表現し、家の中にいるこぶたを俳優2名が演じ、山田くんはおおかみ役でこどもたちの家を訪ねていく~という流れでした。最後は全員でエア大縄跳びをして終了しました。
子どもたちの声
  • いろんなお家をつくったの
  • とても楽しかった・面白かった
  • 友達とグループになって遊べて良かった。
  • 3匹のこぶたをやったの。
  • 山田くんと遊べてたのしかった
よかったこと 事前打合せがあったことで、会場整備と安全性についても情報共有ができ、参加する子どもたちの日頃の様子をお聞きしながらプログラムを進行することができました。また、広報、ちらしもキッズプラザ担当者にお願いしたことで、プログラムの内容をわかりやすく伝えてくださったことで、ワークショップに始めて参加する児童が5名もあったことはとても嬉しいことでした。これも事前打合せの中で、プログラム構成から参加してくださったことでタイトルについても、普段は食事をするだけのランチルームが遊び場になる~という子どもたちの心をくすぐる感覚や、山田くんとあそべる~という友達がやってくる!という期待感を演出することができたことにもよると考えられます。

児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者

導入から子どもたちが、どんどん世界に引き込まれ、最後まで楽しく参加していた。メインファシリの山田くんと3名のファシリの方が、子どもたちの気持ちが離れることなく適所で声をかけ、その場の子どもたちの声を活かしたストーリー展開をしたりと、いろんな子どもたちにスポットをあてての進行はとても良かったです。最後にただ楽しかっただけではなく、子どもたちが自分で何が楽しかったと言える、心に残ったワークになりました。子どもたちの気持ちの高まりと共に、安全面の確保が大切になってくるので、事前に打ち合わせを行い、丁寧に確認をしていたので安全面の確保は充分に行えた。その事もスムーズに子どもたちが楽しく、雰囲気を損なわず参加できたひとつになったと思う。

協力NPO よかったこと、協働の成果、この事業を通して考えられることの欄で記述したこと以外として。協働ということで広報もお願いできたことは、こども達にプログラム内容が伝わりやすくなったこと、また武蔵台の子ども達にとって今、必要とされていることとこちら側が用意できることのすり合わせができる可能性が高いことなど実感しました。講師陣も現役のアーティストであり、感性豊かで意欲的なので、現地入りするまでのバスの中でも新しいプログラムを考えるような感覚がありました。ただ子ども達のコンディション(体力、身体的造形的基礎力、日々の様子、メンタル面、個性や気質)などは1回ではなかなかスタッフ側にはわかりにくいものです。、一過性のイベント的ワークショップでは刺激だけで終わりがちですが、日々児童館のスタッフの方が継続して活動されている中に参加させていただくことで、プログラムにも膨らみが生まれたような実感がありました。自発的にあそぶ場として継続的に同じワークショップ団体が協働で参加できるようになると、また違った効果が期待できるのではと思いました。
この事業で得られたこと

児童館のスタッフのご理解とご協力、何より意欲をもってワークショップスタッフと協働で実施してくださるので、現地に即したニーズや要望を取り入れてプログラム作りができ、より子どもたちが安全に楽しめるような創造性のある取組ができる可能性が高まりました。なにより子どもたちの日頃の状態や興味、大人との関係性などについても守秘義務を大事にしつつ私達にも情報共有してくださることで、スタッフ側も配慮することができました。これは一過性のワークショップではなく、年間を通して継続的に行う事業としては今後も大切なことだと思っています。

また、ワークショップは事前打合せと入念な準備が大切ですので、これからも双方協働で実施することができればと願っています。

経費面では、現役で活躍中のアーティスト、講師を招聘しているので少しづつでも講師料がそれに見合うように事務局側でも配慮できればと思います。

学び場 寺子屋どんぶり

連絡先

E-mail
info@teradon.sakura.ne.jp
代表 酒寄哲也