NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2012

小中川児童館

新潟県燕市

プログラム

避難所生活を体験しよう!

PA060078.JPG

タイトル 避難所生活を体験しよう!
協力NPO にいがた災害ボランティアネットワーク
その他協力者 燕北地区まちづくり協議会

白山町児童館
西燕児童館
秋葉町児童クラブ
燕市子育て支援課・防災課・地域振興課
新潟NPO協会
日時 2012年10月6日(土) 13:30-15:30
場所 小中川児童館
ねらい
  • 防災に対する啓蒙活動を行い、日頃の備えの大切さを知る。
  • 大きな災害があったとしても予め対応策を考えておくことで減災できることを知ってもらう。
  • 避難所生活を体験してもらうことで地域の助け合いネットワークをつくる
概要
  1. 中学生と小学生でグループを作り、そこに地域の方に入ってもらう。
  2. グループごとに一家族とみなし、各々に家族カードを渡す。
  3. 家族カードに従って最適な配置をする。また持って来たものリストを作成する。
  4. 配置が正しいかについてコメントをもらう
    →2, 3, 4はさいがいボランティアネットワークさんの指導
  5. 一方炊き出しを行い、グループごとにおにぎりを作る
  6. 防災課から避難物資を運びこむ
    →持って来たものリストを集め、防災課よりコメントをもらう
  7. みんなでおにぎり等を食べる
    ※避難所に来るまでは向山町児童館主催の「ドキドキン冒険ひなんウォーク」で行う。

レポート

当日の様子・子どもたちの声・よかったこと

当日の様子 ① にいがた災害ボランティアネットワークさん、新潟NPO協会さんらと事前ミーティングを行いました。
② 燕北中学校野球部を集会室に集め、にいがた災害ボランティアネットワークの李仁鉄さんから事前レクチャーをしていただきました。
③ 関係者全員を集めて最後のミーティングを行いました。
④ 参加者を予め10家族に分けておき、そのグループを発表し、それぞれに家族の特徴を書いた家族カードを渡しました。
⑤ 最初、それぞれ自由に場所取りをした後、李さんの指導で最適な場所決めを行いました。それぞれ、全盲で盲導犬を一緒に行動しているお父さんがいる家族や外国からお嫁に来て日本語の不自由なお母さんがいる家族、両親とも仕事に行ってしまって中学生のお兄ちゃんが妹、弟を連れて避難して来た家族等、設定がありました。協議の結果より支援が必要な3家族だけ畳の部屋に移動し、他の7家族が遊戯室に残りました。
⑥ 同様に、仕切り壁やマット、布団類といった支援物資が届いた時も李さんのアドバイスにより弱肉強食ではなく、より必要な人に物資が行き渡るよう工夫しました。
⑦ あらかじめシークレットミッションとして開封時間を指定した封筒を渡し、その指示に従って行動しました。それにより、順次受け付けができたり、連絡用ボードができたり、スペースを区切る間仕切りが配られたり、と避難所環境が快適になることを実感しました。
⑧ 防災課がトランシーバーにより、適宜避難情報を流し、臨場感を盛り上げました。また、災害避難用物資も運び入れてもらい、万一の際、燕市がどんな物資を備蓄しているかも参加者に見てもらいました。
⑨ 福祉的な配慮を必要とする方には社会福祉協議会からのアドバイザーが、また、地域の問題についてはまちづくり協議会からの参加者が相談に乗りました。
⑩ 社会福祉協議会から借りた大釜で炊いたご飯で炊き出しをしてみんなでおにぎりを握って食べました。また、支援物資が届いたという想定でフルーツポンチを食べました。
⑪ 避難してくる時持って来るもの、ということで事前にリストを書いてもらい、また、実際に避難所に持って来たい物一つを持って来てもらいました。アルバムやゲーム機等思い思いの物を見せ合い、実際の避難では何を用意すれば良いか話し合う場を持ちました。さらに、防災課から避難所に持って来る物のリストをもらい、普段から心掛けることについて考えました。
⑫ 活動後、中学生、専門学校生に感想を聞く場を設けました。また、その他の大人参加者は反省会を開いています。一般参加の小学生と保護者にはアンケートに答えてもらいました。
☆1 白山町児童館企画の「どきどき冒険ウォーク」と相互乗り入れの形で運営し、燕市全体として避難所までの避難と避難所での生活、の二つの企画を実施しました。
☆2 実施後、参加職員からもっと防災・災害対応について知りたいとの声が出て、クロスロード(防災教育教材)体験会を開きました。
☆3 全国でどんどこプロジェクトに参加している児童館と連携したく、東京都町田市の「子どもセンター つるっこ」を訪問し、情報交換を行ないました。
 
子どもたちの声 ① おうちごっこみたいで楽しかった。また、やりたい。(小1男子)
② おかあさんが日本語ができない人の設定で、弟たちもいて、どうして良いかわからなった。親切なおとなりの人が声をかけてくれてご飯とかも一緒に作ってくれてすごく助かった。本当に避難することがあったら、僕も困っている人に声をかけてあげたい。(中2男子)
③ 災害時や避難時に、どのように動いたら良いのか、自分の役割は何なのかを理解することができ、とても有意義な時間となりました。(中2男子)
④ いざ、自分が避難する立場になったら、今回経験したことは役に立つと思います。避難場所には様々な人が来るため、自分よりも大変な人を思いやる気持ちを経験できて良いと思いました。(中3女子)
 
よかったこと ① 参加した子どもたち一人ひとりが、万一の際に自分で考えて行動する大切さに気が付いたと思います。また、弱者に優しい避難所を作ろうとしたことで結果として全体にとって居心地の良い空間になることが実感できたように思います。
② 児童館が避難所だと地域の方に認知してもらえました。
③ 今回の企画を機に防災課が避難マニュアルを作成して、行政に対する非常に強い刺激になったと思います。
④ 防災課、社会福祉協議会等今まで連携したくても機会がなくてできなかったところと協働でき、また、地域振興課やまちづくり協議会、燕北中学校等連携実績のあるところとより一層関係を深めることができました。
⑤ 何より、避難する時何が必要でどのように行動すればよいかについて専門の方から指導を受けられたことが良かったです。
 

PA060085.JPG

PA060160.JPG

児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者 ① 計画が曖昧な部分や時間切れでいい加減になってしまったことがあり、後悔が残りました。実際の運営ではNPOの方に支えられて何とか形にすることができ感謝しています。
② 私は数年前水害で大変な思いをしたことがありますが、避難所には行きませんでした。今回初めて避難所生活の大変さがわかりました。
③ 中学生たちが、思春期で難しい時期かと思いきや、頼むと何でもテキパキやってくれてとても頼りになりました。おとなしい感じの子もいたのに嬉しい誤算でした。
④ このような企画は定期的に行うことで、意味があるのかなと思いました。何回かやるうちに子どもたちの中に「防災」とか「備え」などの意識が芽生えてくれると良いと感じました。
⑤ 実際にやってみたら準備が不十分で混乱してしまった部分がたくさんありました。にも関わらず全体を上手くまとめて活動を進めていくNPOの方たちの声掛けの仕方がとても勉強になりました。
 
協力NPO ① 普段は大人対象に行なっている活動を子ども相手にすることで反応がストレートに返ってきて興味深かったです。
② 避難する時は臨機応変に対応することが大事です。それがわかってもらえたようで良かったです。
 
その他協力者 ① 避難所の運営を実際にやってみたことは有事の際の良い経験になった。万一の際は自分が李さんの立場で避難所を仕切ることになるのだろうが、果たして自分にできるか。もっと勉強して普段から備えたい。(まちづくり協議会事務局長)
② こんな風に弱者に優しい避難所運営ができれば安心して見ていられるんですが。本番でも宜しくお願いします。(防災課職員)
③ 児童館からのメルマガを見て、こんなにたくさんの人が関わっている活動ならば参加してみたいと思った。とても勉強になりました。(看護専門学校生)
④ 本格的だったからこそ子どもたちも感じることが多かったと思います。また自分の良い体験となりました。(地域住民)
⑤ 日常の中で災害に対して私自身何の準備もしていませんでした。何かあった時の為、非常食、水等準備しようと思いました。(地域住民)
 
この事業で得られたこと ① 地域との連携を活動ごとにもっと深めて行きたいと思います。
② 大勢の方と関わる活動において、誰にどのように情報を伝えたか全体の合意を得ながら計画を進めることが大事だと思いました。今回は、メールを流して終了にしてしまったことからぎくしゃくしてしまったことがあり、木目細かな合意形成が大切だと痛感しました。
③ もっと早くから取り組まなければならないことがたくさんありました。少人数では上手く行くものでも、たくさんの方が関わる場合、もっと時間を取らなければならないと思いました。
④ 家族が生活できるスペースは確保できますが、他家族とのコミュニケーション、譲り合い、という他者との関わりがどうしても必要となってきます。ストレスの緩和や精神面のケアも必要になってくると感じました。次回はそういう面も工夫したいと思います。
 

小中川児童館ついて


大きな地図で見る

連絡先

住所 〒959-1213
新潟県燕市小古津新19-1
電話番号 0256-66-5559