NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2013

小中川児童館

新潟県燕市

どんどこプロジェクト第9弾! 「避難所生活を体験しよう! VOL.2」

タイトル どんどこプロジェクト第9弾! 「避難所生活を体験しよう! VOL.2」
協力NPO

公益社団法人 中越防災安全推進機構 地域防災力センタ―

その他の協力者・関係者 新潟NPO協会 燕北地区まちづくり協議会 燕市食生活改善推進委員協議会
燕市子育て支援課 防災課 
開催日時 2013年11月16日(土) 午後1時~4時半
開催場所 小中川児童館及びその周辺
概要
  • 平日昼間に震度5強の大地震が発生したと想定し、小中川地区で保護者がいない中、子どもたちがお年寄りや身体の不自由な方と救助を待つ間、「自分にできることって何だろう?」と考え、行動する。
  • 地域を回って食料を集め、公民館にいる「燕市食生活改善推進委員協議会」のメンバーに届ける。
  • その過程でお年寄りや体の不自由な人の安否確認をする。
  • その時、道路に人が倒れているなど、サプライズミッションもあり、ミッションを達成すると食糧を獲得するためのヒントをもらえる。
  • 食事が出来上がったら、体が不自由な人へ配膳したり、在宅避難している人へ届けたりする。
  • 最後のボーサイダーによる振り返りを行う。
目的
  • 昨年度の「避難所生活を体験しよう」で小中川児童館を避難所に変身させた。それをさらに発展させ、今度は地域も巻き込んで、避難その後を体験したい。
  • それらの体験を通して子どもの心に残る質の高い防災教育を行いたい。防災教育の経験とノウハウがある「公益社団法人 中越防災安全推進機構 地域防災センタ―」との協働ならばそれが可能となる。
  • 災害時の対応行動を身につけ、困っている人やお年寄り等災害弱者を助けることを通して、人を思いやる力を養うと共に、一人でいる場合の身を守る方法についても意識させたい。
  • 災害時の「食」という視点での活動を通じて、地域での協力体制や、活動資源などにも目を向けられるようにしたい。

レポート

当日の様子・子どもたちの声・よかったこと

当日の様子 (1)当日、午前中から集まって、中越防災さん、新潟NPO協会さんを始め協力者と児童館職員とで事前ミーティングを行いました。
(2) いよいよ企画開始です。最初に、大きな災害に遭ったら・・・と、中越防災さんの指導のもと、防災ダック等のフラッシュカードで災害時の対応行動を練習します。震災の時の写真も見せてもらって、大きな地震が来たらどうなるかをイメージしました。
(3) 「みんなのおうちの人がいない時に大きな地震があった!」「ご飯を食べないといけないけど、みんなが食べるには材料が足らない!」食推さんからお願いがあり、子どもたちは地域に食材を探しに行くことになります。
(4) 出発前に、「危ない所がないかチェックしよう!」「もし、困っている人がいたら助けてあげよう!」と声をかけ、ボーサイダーから見送ってもらって3コースに分かれて出発します。
(5) 途中、木や看板が倒れていたり、橋が壊れたり、といった危険個所を発見。持っていた地図に描き込みます。(6)また、ケガをした人や車椅子の人、お年寄りや目の不自由な方にも出会って、安全な児童館(燕市第3次避難所指定)に一緒に行こうと誘います。さらに、児童館の隣にある身体が不自由な方の作業所(NPO結)にも出向き、みんなが無事であることを確認しました。まちあるきの最中に、出会ったすべての人にも声をかけて、活動の説明をしています。
(7)ケガをした人から地域情報を聞き、食材を分けてくれそうな所に行きます。畑からキャベツを採ってもらったり、収穫してあったじゃがいもを分けてもらったり。地域の園芸施設からは調味料や缶詰も貰いました。無事、食材をゲットし、重かったけれど、みんなで協力して順番に持って運びました。
(8)取って来た食材を食推さんの炊き出し現場に運んでスープにしてもらいました。
(9)スープができるまでの間、まちあるきに持っていた地図を大きな地図に写し取りました。途中にあった危険箇所、食材をゲットした農家や施設、地域の方と会ってお話した場所、困っている人と会った場所等をコースごとに地図に描きます。みんなの前で発表し、児童館周辺がどんな地域なのか、災害時にどこが危険スポット・安心スポットか確認しました。
(10)地図の説明が終わる頃、ちょうどおにぎりとスープができあがりました! 自分たちが運んで来た材料で作った、あったかスープは絶品です。差し入れのお漬け物や果物もおいしかったです!
(11)お腹がいっぱいになったところで、ボーサイダーからの質問。「もし一人でいる時に、地震にあったら、どうする?」について一人ひとり考え、自分が何をするかフリップボードで発表しました。
(12)最後に防災課からその日の活動についての講評をしてもらいました。
(13)終了後、関係者協力者が集まってまとめの会を行いました。
子どもたちの声
  • 「おにぎり、スープがおいしく、おかわりしたい!」という声が出ました。(ほぼ全員)
  •  「こんな所があるの」や「ここが壊れたら大変」と周りを良く見て、とても真剣に参加している声を聞けました。
  • 「どこを通る?」「ここはあぶない?」など、積極的に参加していたと思います。ケガを心の底から心配してずっと手をひいてくれる子もいました!
  • 出かける前の活動が良く、1年生も「地震が起きたら、ここ、倒れるかも」など考えていました。
  • まちあるき、「オレ、前にこういうのやったよ!(得意げに)」。いままでの活動が子どもたちの中にしっかり根を下しているのを感じました ボーサイダーの登場にテンションがあがりました。「かっこいい」「かわいい」との声も多く、ボーサイダーがそばに来てくれると、それだけで嬉しくてニコニコしている様子が可愛かったです。
  • まちあるきで、目が不自由な役の人に対し、手をつなぐようにその子の手を引いて声をかけると、「ヤダ」と言って逃げる(男子)! 女子は優しくて、声をかけると交代で手を引いてくれました。
  • いただいた時、「ありがとう」という気持ちがこもっていました。
よかったこと
  • ボーサイダーという防災のキャラクターが参加してくれたので、低学年の興味を引きやすかったです。1年生が楽しそうでした! 出発前の防災ダッグゲームや写真説明もわかりやすく、導入としてとても良いものでした。難しくなりがちな防災というテーマを子どもにも理解しやすいようにアレンジしてくれた中越防災の方に感謝です
  • 日頃から避難できる場所や物資を分けてくださる方がいるのだと知ることは大切だと感じました。「防災」というテーマだったからこそ、地域の協力を得られたのだと思います。
  • 最後のフリップボードで自分の考えを発表したことが特に良かったです。どうしても班単位の活動だと全体の中に埋没してしまってお客さんのようになってしまう参加者がでます。今回は、一人ひとりが自分の考えをまとめたことで、自分の事として考えることができました。
  • 活動があったので、自宅に帰ってから、万一の場合どこで待ち合わせるか等の話し合いを行ったという報告が、参加者のおうちの方からありました。「子どもが一人でいた時に地震に遭ったら・・・」ということは、家族で考えてどうするか決めておかなければならない大事なことなのだとわかってもらえたようです。児童館の活動のみに終らず、本当の意味で家族や地域の防災を考えるきっかけづくりができたと思います。

 

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児童館・協力NPO・その他協力者の声

児童館担当者
  • 地域からの参加者が、中越大震災の時、野球場にいてどんなに怖かったかを子どもたちに話してくださった。地域の方と一緒に実際に歩きながら話を聞けて本当に良かった。大きな意味で地域の出来事の伝承になると思いました。
  • コースを歩いている時に地域の方同士の話を聞いていると「ここも危ないよ」など地域に住んでいる方も再確認をしていました。
  • 食糧をもらう時、挨拶が素晴らしい!と言われました。元気が良いね!とも言っていました。児童館周辺に住む方々に協力してもらえて、良かったです。子どもたちも地域に頼れる大人、場所、施設があることを知ることができました。
  • 食推さんとのコミュニケーションづくりができたこと。交流を深められたと思います(みそづけの作り方、たくあんの切り方、材料の保存の仕方等)。
  • 子どもたちが自分自身を守り、また他者にも気を配るという気持ちを学べました。また、チームで協力し、助け合う、さらに、自分の考えを発言できるようになりました。
  • 歩くルートを子どもたちが選んだことで、楽しみながらしっかりと取り組んでいました。みんな、積極的に参加していたかと思います。重い物もみんなで分担し、協力する…とても良い活動になったかと!
  • 実際に外に出て、普段歩いている道で危険な場所が無いか改めて気付くことができたのが良かったです。自分たちで実際に歩いて危険な場所を探すことで、防災への意識が高くなりました。危険な場所の探し方も身についたと思います。
  • ボランティアの参加、地域の人、食推さん、市役所を巻き込んで行えたこと。児童館が地域とつながることができる活動を知ってもらう機会になりました。「地域の中の児童館」を再確認しました。
  • NPOさんとの協働でNPOさんの専門を児童館で児童に伝えることができました。生きる力につながることだと思います。
  • 新潟NPO協会さんに「こんなことをやってみたい」「協力していただける団体は?」と問い合わせて良いアドバイスが貰えると確信できるようになりました。協力者を紹介してくれる組織だと思います。地域で何かをやる場合、当てにしたいです。県内全域の声をかけられる新潟NPO協会の価値に気付きました。
  • 防災について、自分自身も学びが必要。児童館だからできることを考えていけると良いですね。まちあるきで児童館活動のアピールができました。次回に生かせます。
協力NPO
  • 普段は大人の方が主な参加者とのことで、戸惑われた面もあったとのことですが、「ボーサイダーや防災ダッグゲームが好評で良かった」とのことでした。
  • 今後の防災企画についてアドバイスをいただきました。「食に特化した企画はどうか。ハイゼック米の紹介等は?」とのことで、周辺の農家が多い児童館環境と合わせ、育てて食べる企画を検討しています。
  • 中高生ボランティアの巻き込みが課題とのこと。昨年は多数の中学生の参加があったので、その点が残念でした。
  • 全員のフリップボードを見られるようにすぐその場で貼りだしたことについて、「感心した」と言っていただきました。普段からのやっている何気無い行動をきちんと認めてもらって嬉しかったです。
その他協力者・関係者
  • フリップボードがまとめになっているので良かった。(福祉の家管理人)
  • 「うちの子が大きくなってもういないので、子どもたちと関われて生きがいを感じた。またこういう企画に誘って欲しい」(野菜をくださった地域の方)とても温かく迎えてくださり、たくさん野菜をくださいました。
  • 生垣の方が安心。(民生児童委員)
  • 車椅子の使い方がわかった。(同)
  • お天気が良いとそれだけで半分成功。良い環境でできた。(他施設の児童館職員)
  • ちょっと遊びが入っていた良かった。(同)
  • NPOの方々はじめ、食推さんなど、とても意欲的で、専門的な意見を聞くことができて勉強になりました。(同)
  • 「思ったより子どもたちがしっかりと周りを見ていてビックリしました」や「こういった活動はもっと多くの子どもに参加してほしい」という意見を聞けました。(参加者)
  • ここ数年の間で地震や津波が実際に起きていることで、いつ自分たちの身に起きるか分らないことを考えさせられる内容だった。
  • 大きな地震の記憶が、何年か経っていく中で薄れてしまっているので、今回のような機会があると改めて思い出し考えてくれると思います。
この事業で得られたこと
  • 自分たちで実際に歩いて危険個所や地域の協力者を探すことで、防災への意識が高くなりました。また、困っている方を助けることで、自分たちができることをやろうというきっかけになったと思います。次年度以降は、新潟NPO協会さんからのアドバイスもあり、食に特化した防災活動を行い、さらに地域との関係を深めたいと思います。食育とも関連させて育てることから始めてみたいです。
  • その意味で、地域の食推さんと連携できたことが良かったと思います。以前から連携したいとお互い思っていたのですが、ある程度社会性のある企画でないと活動の意義が見出せない、との立場もあり、防災教育は、そのすべての要件を満たす企画です。
  • 中高校生の参加が少なかったので、日程が決まった時点で試験が近い中学生の参加を諦め、高校生の参加をより促す等、メリハリのある情宣活動をすれば良かったと思います。

 

小中川児童館について


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連絡先

住所 〒959-1213
新潟県燕市小古津新19-1
電話番号 0256-66-5559