NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2017

沖縄県浦添市前田ユブシが丘児童センター

沖縄県浦添市

沖縄伝承古民具復活!『ユブシバーキーズ』

タイトル 沖縄伝承古民具復活!『ユブシバーキーズ』
協力NPO 特定非営利活動法人 すりずり
その他協力者・関係者
  • 浦添市前田自治会 かりゆし会老人クラブ
  • 浦添市グリーンハイツ自治会 若竹老人クラブ
  • 小規模多機能ホーム 前田の家
  • 浦添市美術館
  • 沖縄県公文書館
開催日時 2017年7月21日以降(~2018年2月28日)
開催場所 浦添市立前田ユブシが丘児童センター
目的 児童センターを利用する子どもたちと、地域の多世代・異世代の方々と一緒に沖縄伝承古民具づくりを通して、当時の暮らしの歴史と、ものづくりの知恵の源泉を学ぶ機会を拡大する。このような機会が、子どもたちにとっては、高齢者とのコミュニケーションを通じて、共感性の発達が促され、社会性を育む機会となり、一方、高齢者の方々においては、社会的な役割を担う機会を増やす機会となることから、生活での孤立、生きがいの喪失感を防ぐことにも役立てたい。将来、一人一人の高齢者を大切にできる地域づくりに邁進していきたい。
概要 沖縄の当時の伝承生活古民具、今ではほとんどの子どもたちが博物館に行かないと見ることができない貴重なものです。生活の知恵から生まれ、自然素材から作りだされた生活必需品、浦添市の高齢者施設には、まだまだ古民具の作り方を知っている方々がいます。そのような沖縄肝心(ちむぐくる)がいっぱいある施設に、ユブシが丘子ども会のリーダーたちが訪問し、自然素材から当時の生活民具を一緒に編んで作り、その学んだ技法を、ユブシが丘児童センターを利用する他の子どもたちや保護者の方々に教えていくプログラムを構築したいと考えています。

浦添市前田ユブシが丘児童センターについて

連絡先

住所 〒901-2102
沖縄県浦添市前田323番地1F
電話番号 098-871-1558

レポート

当日の様子

  • リーダーの子ども達を中心に実行委員会を結成し、地域の方々と一緒にプロジェクト内容や、どのように進めていくかなどについて話し合いを持ち、まずは古民具がどのように使われてきたのか、どのような素材から作られたのかなどについて地域の方々から話を聞いたり、映像や写真などを見たりしながら勉強会を持ちました。地域の方々が懐かしそうに話す姿を子ども達が目を輝かせて熱心に聞く姿がとても印象的でした。
  • まず初めはクラフトテープを使い編み方の基礎練習ということでコースターを作った後にペアでバーキ編みに挑戦しました。それぞれ色や編む順番がペアで異なり、子ども達の独自性の見られる作品が出来上がりました。編み慣れた子から単独でのバーキづくりに挑戦してもらい、作品が1つ仕上がった後に、クラフトテープではなく、自然素材(植物の葉:アダン、クロツグ、ススキなど)を用いたバーキづくりに挑戦しました。
  • 制作途中、地域行事や市の行事でバーキを用いた歌や踊り、紙芝居などを披露する機会がありました。行事では高齢者の方がバーキを見て懐かしがる様子や、子ども達が作った事を聞き、喜ぶ姿が見られ、子ども達と地域の方々のバーキを通した縁が繋がるきっかけとなりました。
  • 児童センターの行事内で活動紹介と作品の展示会を行い、児童センターに来館する地域の方々に作品を手に取ってもらい、子ども達の成果を見て頂きました。県外から来た地域の親御さんもバーキに興味を持ち、地域の方々から昔話を聞きながら子ども達と一緒にバーキづくりに挑戦し、地域や世代、血縁を超えた様々な「縁」がこのプロジェクトを通してバーキの編みの目のようにつながり、拡がるきっかけとなりました。

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よかったこと

子ども達が、身近にあるものから道具を作り出すことが出来るという気付きの誘発と、作ってみたいという好奇心に繋がり、自然素材から道具を作りだす先人の知恵と高齢者の方々へ対する尊敬心、そして子供たち自らが積極的に地域の高齢者の方々へ会話をする姿が見られるようになりました。また、このプログラムで学んだ事を子ども達が家庭に持ち帰る事で親子のコミュニケーションやスキンシップが増え、親御さんが子ども達よりも古民具作りに熱中してしまうという声も聞かれました。高齢者の方々からは、若い世代が技を習得してくれるという嬉しさと、交流を通して小さい頃を思い出し、懐かしさを感じたとあり、活動を通して世代間交流と共感性、社会性を育む素晴らしい機会となりました。

子どもたちの声

  • 昔の沖縄の人たちは自然にあるものから色々な道具を作れるのですごいと思った。色んな形のバーキを作ってみたいと思いました。
  • 編み方を習ったのではなく、作っている人を見て編み方を覚えたと聞いて驚きました。
  • バーキの作り方だけではなく、地域のおじいさん、おばあさんの小さい頃のお話や、バーキに食べ物や道具を入れて運んでいたことが分かり勉強になりました。

協力NPOの感想

  • モノづくりを通した子供たちとの交流を通して、利用者の高齢者の方々の生き生きとした表情と笑顔をたくさん見ることができました。
  • 地域の先輩方が生活の一部として行っていたバーキづくりを子供たちが世代や血縁を超えて継承する活動は素晴らしいと思います。今後のクラブ活動に期待したいと思います。

その他協力者の感想

  • 初めての体験で成形するのが難しかったのですが、地域の方から昔の沖縄の生活様式や、身近にあるものを活かす知恵を学ぶことができ良かったです。(県外出身の親子)
  • 私たちが小さい頃、地域の先輩方から見よう見まねで学んだ道具づくりを、子供たちが学んでくれることが嬉しく、同時に小さい頃を思い出し懐かしさを感じました。これからも子ども達にできる限り色々な事を伝えていきたいと思います。(地域の70代の方)

児童館担当者の感想

バーキづくりという古民具作りを通して、子ども達にとっては集中力、忍耐力、チームワーク力などのスキルだけではなく、対人力やチムグクル(思いやりの心)、昔の生活様式や生きる知恵など、多くの事を異世代・異年齢の方々から学ぶことのできる素晴らしい機会となりました。また、地域の高齢者の方々にとっては技術指導だけではなく、血縁や地縁を超えた子ども達との関りを通して子ども達との縁(えにし)が繋がる機会となりました。