京都市修徳児童館
京都市下京区
こどもまちづくりいいんかい 松原通の駅 宝探しウォーク
タイトル | こどもまちづくりいいんかい 松原通の駅 宝探しウォーク |
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協力NPO | NPO法人 フリンジシアタープロジェクト |
その他協力者・関係者 |
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開催日時 | 2017年4月~2018年3月 メイン事業は2017年11月18日 |
開催場所 | 松原通り一帯(因幡薬師周辺) |
目的 |
「まちづくり」に熱心に取り組まれている地域性を生かし、子どもが"知ること""考えること""動くこと"を通して、まちをつくるさまざまなや大人や子どもをつないでいく。 これまでの活動を通し、子どもや子育て世代の保護者が、地域に親しみを持ち、地域の方々とたくさんの接点を持つまでになった。今年度は更に京都らしい伝統と文化が息づく町並みや職人技に触れる機会をつくり、「まちで遊ぶ」「まちを遊ぶ」の中身を深め、京都ならではの本物に触れる機会を地域の方々と共に企画していくことで、地域理解や活性化につなげていく。 まちづくりの企画に、子どもが主体的に参加し、子どもこそのアイデアやにぎわいを提供しながら、双方の理解を深め、地域に子どもや子育て家庭の交流の場、居場所づくりをする。 |
概要 |
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京都市修徳児童館
連絡先
住所 | 〒600-8449 京都市下京区新町通松原下る富永町110-1 |
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電話番号 | 075-353-6399 |
レポート
当日の様子
今年度は、4月より「松原通の駅実行委員会」を毎月第4水曜日に定例化し、7月の「松原通(みち)の駅 夏の夜市」11月の「松原通(みち)の駅 秋」3月の「松原通(みち)の駅"地震を考える日"」の3回を計画的に行うことでスタートしました。
「松原通の駅」事業に児童館が参画したのは、どんどこプロジェクト3年目の2015年から3回目になります。NPO法人フリンジシアタープロジェクトと児童館の協働を通して、地域のさまざまな団体、企業と共に、地域の方々の生活の場で事業展開をすることで、子どもと大人、子どもと地域、そして地域全体のつながりが広がり、活発になることを願って、子どもも大人も行きかうまちづくりを企画してきました。
地域の協力の輪も広がり、今年度は松原通り界隈の企業協力も増え、区役所の職員の協力も得ながらの展開でしたが、7月8日(土)「松原通の駅 夏の夜市」では、開会早々ゲリラ豪雨に見舞われ、1時間以上の中断を余儀なくされました。準備したコーナーも継続が難しくなり、予定通りにはいきませんでしたが、子ども達が地域の大人の方々に守られながら、テントや軒先に避難している時間は、いろんな会話が生まれ、高校生がびしょねれになりながら、テントの端を抑えて、テントの中の人に雨が当たらないように頑張ってくれた姿が印象的でした。
11月18日開催の「松原通の駅 秋」では、昨年度貸切にしたコインパーキングに建物が立ち、場所が狭くなったこともあって、まち中で子ども達が遊びを展開することの安全性を更に考慮し、子ども達の移動範囲を若干縮小し、警察への道路使用許可申請や、ガードマンの配置、ご近所への協力呼びかけなどに力を入れました。
今年度も協働するNPOは、NPO法人フリンジシアタープロジェクトで、俳優さんと子ども達で、「子ども劇場 "動く紙芝居"」を上演しました。松原通りにまつわる歴史を盛り込みながら、ワークショップを通して子どもたちがアイデアを出し合って作ったお話を、因幡薬師の本堂前で上演し、多くの方に見ていただきました。
「あそViva!」では、児童館の日常の遊びを路地裏あそび風に展開し、子どもだけでなく、大人と子ども、大人同士も関わりあって遊ぶ姿が見られました。前夜からの雨に見舞われ、午前中スタッフはレインコートを着込み、子ども達も傘を差しながらまちなかを移動することになり、子どものあそび場は限られた遊びの展開になりましたが、午後になってようやく予定通りのコーナーを出すことができました。
子ども達が児童館の遊びの中で作った"あそびやさん"も午後になって登場し、「お祭り射的」「ぬりえ屋さん」「おりがみ屋さん」「わにわにパニック」に加えて、段ボールで自由におうちづくりをはじめた子どもたちに、幼児さんも加わりあそびがどんどん変化していくのも感じることができました。
定番の学童クラブ保護者による「だがしや+たこせん」、乳幼児クラブの保護者による「ちびっこのおうち」では、保護者同士が出会い語り合う場になり、また地域との距離を近くに感じる場にもなりました。地域の方々も準備段階から、ベビーカーで来る親子の居場所について心配してもらったり、授乳やおむつ替えのスペースの事も、児童館が発言しなくても地域の方々から、「児童館さん、お願いしますね」と言われるようになりました。
今年度の新しい取り組みとして、「コドモカフェ」が登場し、子ども達が本格的なコーヒーを入れてお客さんをもてなしました。注文を取りに行ったり、配達をしたり、とても評判でした。
また、「松原トレジャーハンター」では、因幡薬師周辺のまち中に隠れているミッション(松原通りに関するクイズ、ジュースの種類を当てる「目隠しテイスティング」、こんな松原通りになってほしい「未来の松原通り」)をクリアし、文字集めをして、謎解きを楽しみました。
今後3月10日(土)には、児童館で毎年行う「地震について考える日」を松原通の駅実行委員会の協力を得て、非常食体験、試食と消防署と消防分団による消火器体験、下京区のエコ学区の協力を得て、防災クイズや展示を行う予定になっています。
よかったこと
松原通の駅実行委員会のメンバーが、下京区や洛央小学校、自治連合会等のさまざまな立場を担っていることもあり、松原通の駅事業以外の事でも、子どもの安全や保護者の困りごとなどについて、相談にのってもらえたり、手助けをしていただける場面が増えました。
また、それぞれの立場で、児童館の事や子ども達の事を、別の場所で語っていただいているようで、地域の取り組みにお誘いを受け、協力をし合える関係性が育ってきました。
なにより、児童館の事をご理解いただき、さまざまな面でサポートしていただいています。
子どもたちの声
松原通りがたくさんの子どもや親子に親しみのある場所になってきているようで、「ここ知ってるわ」「去年も遊んだ」「みちのえき行くで」などの声が多く聞かれました。また児童館の中での活動ではなく、多くの人が行きかう外での活動なので、「知らん人にも褒められた」と喜び、いろいろな方からの声掛けに、張り切ってコドモカフェやあそViva!の役割を果たしていました。
協力NPOの感想
「子ども達の発想は無限でおもしろい」とおっしゃっていましたが、子ども達の思いをどんどん楽しい雰囲気の中で引出して下さいました。「練習中は真面目にやっていないのに、なぜ本番にできるのか」と、子どもの未熟さと成長に感心もされていました。
その他協力者の感想
「これまでのまちのコミュニティーは、本来人の家の軒先や、生活道路で作られてきたことから考えると、児童館が松原通の駅でやっていることは、とても意義深いものであるし、そこが子どもの生活の場、あそびの場になることは望ましいことである。地域の困りごとや取り決めの多くは日常の会話の中でほとんどが決められていて、会議はその確認であったのに、最近は日常の会話がないまま会議で話し合われることに地域の難しさもあるのではないかな。」
児童館担当者の感想
できるだけ児童館の日常をそのまま外に持って出てできることを基本に、その中での特別感やいつもと違う楽しみを盛り込めたと思います。ただ地域住民のすべての人が「子どもファースト」ではないことに、今回改めて気づかされました。また、まちの中に子ども達のあそび場や居場所が増えること(あたりまえにあること)を目指していく中に、地域の方々の子どもの姿のない日常があることを忘れてはいけないと思いました。