NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2018

愛西市永和児童館

愛知県愛西市

中高生のための中高生による中高生タイム「永和ティーンズの企画づくりプロジェクト」

タイトル 中高生のための中高生による中高生タイム「永和ティーンズの企画づくりプロジェクト」
協力NPO 特定非営利活動法人 こどもNPO
開催日時 2018年7月~2019年2月
開催場所 愛西市永和児童館
目的 中高生の居場所機能をもつ児童館をめざして、子どもたち自身の力を発揮できるよう「子ども会議」→「自分たちの意見を子ども当事者から発信」→「自らが場づくりにかかわる」という過程に取り組んでいきます。現在、永和児童館では中高生の利用が僅かな現状でありますが、中高生の主体的活動が生まれ、地域の中で力を発揮できる機会の創出へつなげるため、子どもたちの声を「聴く」ことを大切にしていきたいと考えています。
概要
  1. 中高生へのヒアリング(ニーズの現状を知る)
  2. ティーンズ会議(当事者が多様な考えを互いに対等に伝え合う)
  3. ティーンズ企画案出し(テーマ決めから企画運営まで行い、場づくりへのきっかけとする)
  4. 広報(児童館を活用した地域へのティーンズ企画の発信)
  5. ティーンズ企画実施
  6. 事業報告(本プロジェクト事例を通した中高生に係る発信)

愛西市永和児童館について

連絡先

住所 〒496-0922
愛知県愛西市大野町未25
電話番号 0567-31-1760

レポート

当日の様子

中高生がもつ児童館のイメージ、普段どんな場所で遊び、何に興味があるのかを知る為、第一回ティーンズ会議を開きました。普段から遊びに来ている中学生が参加し、和やかな雰囲気の中、行うことができました。第二回ティーンズ会議には、今まで遊びに来たことのない中高生や、協力NPOが運営する中川児童館の高校生が参加してくれました。児童館で何がしたいか意見を出し、企画づくりに繋げる予定でしたが、現状では規制も多く、やりたい事の実現が難しいことが分かりました。どんな児童館がいいかという方向に話が進み、他館を見学してみようという提案もあり、中川児童館を訪問することとなりました。その後訪問を実施、当館しか知らなかった子どもたちにとり、他館を知ることはとても貴重な体験であったと感じました。これをきっかけに、当初予定していた企画づくりプログラムから、自分たちが望む児童館(居場所)について具体的に意見を出し、市へ提言するといった内容に変更することとなりました。第三回までは当館にてティーンズ会議を行ってきましたが、永和小学校区にとらわれず、市全体のこととして捉え、広域的に意見を聞くため、日曜日の午後、公民館での開催と環境を変え、第四回ティーンズ会議を行いました。参加した子どもから出された意見の多くは、永和児童館の子どもたち同様のものが多く、現在の児童館で中高生の居場所づくりに取り組む上での課題が明確になってきました。

3月には出された意見をまとめ、子どもたちで文書化し、児童館としての考えも添え、市長へ提言書として届けました。

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よかったこと

  • 中高生から声を引き出すファシリテーターとしての手法を学ぶことができました。
  • 課題を解決するために、コミュニティワーカーとして、学区という枠にとらわれず、市全体の事として中高生の居場所の問題を捉えることが必要であることや、公民館等地域資源を中高生のために活用する発想を持つことができました。

子どもたちの声

  • 自分の意見を言えて、他の人の意見を知ることができて良かった
  • 出した意見が実現して欲しい
  • 騒いでも怒られない、外で遊べる児童館があるのはいいと思った。
  • 理不尽な(大人の考えを押しつける)大人がいるところは嫌だ。

協力NPOの感想

環境面(1小学校区1児童館(児童クラブ併設))や、施設面(中高生が思いっきり体を使って遊べる部屋がない)で、中高生の利用がされにくい条件下での、居場所づくりの活動に難しさを感じました。しかし、居場所づくりに向けた聞き取りの中で「気軽に遊びに行ける自由な場」を求めていることがわかり、愛西市の子どもたちの目に見えない、表に出てこないニーズを感じました。

子どもたちにとっての居場所になるには、一朝一夕でできるわけでなく、場や人のつながり、それを支える仕組みが揃ってこそ可能になると思います。小学生が多い中では、中高生も利用しにくく、名古屋市などで行っているような「中高生の専用タイム」など、利用しやすい雰囲気・空間を、現状での工夫だけでなく、新たな枠組みとしてこれから整えていく必要があると思います。

その他協力者の感想

  • 不登校の生徒にこの活動が届くといい(地元中学より)
  • 異世代交流の場に公民館を利用してもらうのは問題ないので活用してもらえればいい(佐織公民館より)
  • 永和児童館は静かだが広い場所があまりなかった(中川児童館の子どもより)
  • ある程度騒いで大丈夫ならいい。楽器や音楽系ができるといい(中川児童館の子どもより)

児童館担当者の感想

中高生の考えを直接聞く機会を持てたことは有意義でした。また、児童館が中高生の居場所機能を発揮する為の問題点や、課題が明確になりました。

一方、ティーンズ会議開催の為の環境整備が不十分であったと感じています。会議参加者以外も自由に遊べる部屋で行ったため、小学生も参加するなど、じっくり落ち着いて話すことが難しい場面もありました。環境を整えるため、場所を変えてティーンズ会議を開く事により、学区外の子ども達の意見を聞くことができたのは大変参考になりました。

ティーンズ会議開催の告知チラシ配布を市の教育委員会にお願いしましたが、前例がなく難しいと断られてしまいました。児童館の役割や、地域における中高生の居場所の意義を、教育委員会にも理解してもらう必要があると感じました。