NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2016

京都市修徳児童館

京都市下京区

こどもまちづくりいいんかい 笑顔がつながる松原通の駅

タイトル こどもまちづくりいいんかい 笑顔がつながる松原通の駅
協力NPO
  • NPO法人 フリンジシアタープロジェクト
  • 本町エスコーラ(佐々木暁生)
その他協力者・関係者
  • 松原通界隈活性化活動プロジェクト委員会
  • 笑顔デザイン研究所
  • 修徳児童館学童クラブ松原通の駅保護者プロジェクトチーム
  • 修徳児童館学童クラブだがしや保護者プロジェクトチーム
  • 修徳児童館乳幼児クラブ松原通の駅保護者プロジェクト
  • 楊梅幼稚園・池坊保育園
  • 立命館大学ロビンフット
  • 松原商店街振興組合
  • 修徳自治連合会・豊園自治連合会・有隣自治連合会
開催日時
  • 2016年11月19日
  • 2016年7月9日 松原通の駅夜市
  • 2016年8月27日、9月10日、10月15日 笑顔写真きょうしつ
開催場所 京都市下京区松原通り界隈(堀川通り~烏丸通り~河原町通り)
目的
  • 「まちづくり」に熱心に取り組まれている地域性を生かし、子どもが"知ること""考えること""動くこと"を通して、まちをつくるさまざまなや大人や子どもをつないでいく。
  • まちづくりの企画に、子どもが主体的に参加し、こどもこそのアイデアやにぎわいを提供しながら、双方の理解を深める。
  • 地域に子どもや子育て家庭の交流の場、居場所づくりをする。
概要

1)企画会議への子どもの参画

地域活性化事業「松原通の駅」に子どもプロジェクトチームとして参加。地域での役割や注意点等を理解した上で、子どもプロジェクトチームの企画提案。松原通の駅PR大作戦」

【その1】2016年7月9日(土)松原通の駅夜市
  • あおぞらだがしや(熊本地震おはじき募金)
  • 松原通の駅夜市(たこせん、ヨーヨー釣り⇒キッズお仕事体験クラブ)
  • 松原通の駅実行委員会5回(4.26)(5.24)(6.8)(7.4)(8.1)
【その2】2016年11月19日(土)
「松原通の駅PR大作戦」
  • NPO法人フリンジシアタープロジェクトと
  • 本町エスコーラ佐々木暁生
  • 子どもプロジェクトチーム(児童館キッズお仕事体験クラブ)

2)児童館のあおぞらだがしやを松原通の駅バージョンで出店

月に一度、地域交流の場として修徳公園で開催している青空だがしやを松原通りで出店。さらに多くの方々の交流の場とする。準備、運営は学童クラブ保護者プロジェクト。100円をおはじき10個と交換し、子ども自身が選んでお買い物ができる。おはじき募金(東北、熊本自信子ども支援)も実施。

3)児童館での日常の遊びを路地あそび的に出店し、あそびを通した親子や地域の方と子どもの交流の場を大切にする。

「どんどこあそぼうASOVIVA!」

出店予定:マンカラ、皿回し、コマ、将棋(老人クラブ修和会;月1回の将棋教室の先生)おりがみ(毎週水曜日開催おりがみボランティアの先生)うらない(学童ク保護者)その他子ども企画の遊びコーナー

4)「まつばら笑顔写真展」開催

8、9、10月の3回シリーズで実施した「笑顔写真きょうしつ」で、子どもたちが撮り集めた松原通りの笑顔写真の展示

5)乳幼児親子「オープン広場」開催

児童館で日頃行っている乳幼児広場(あそべMONDAY、ちびっこらんど、パパぱーく)を松原通りで開催。乳幼児のあそびコーナーや、パパママとの休憩スペース、おむつ交換や授乳場所の設置。小学生による手遊びおはなし劇場など。

6)まちあるきビンゴ

まち歩きのアイテムとして、ビンゴカードを作る。通りの拠点に学童クラブ保護者プロジェクトの方に配置していただき、ビンゴの拠点での役割ととともに、子どもの通行安全のための警備を行う。

京都市修徳児童館について

連絡先

住所 〒600-8449
京都府京都市下京区新町通松原下る富永町110-1
電話番号 075-353-6399

レポート

当日の様子

昨年度の「松原通(みち)の駅」終了後、地域の方々から、「子どもたちの意見を直接聴きたい」との申し出があり、地域の方々による『松原コドモ未来カイギ』が開催されました。地域の大人が子どもをゲストに迎え、松原通(みち)の駅やまちづくりへの意見を出し合い、これからの取り組みについて確認し合いました。

また昨年度の様子から子どもたちの動きが、大人の参加やまちの活性化に影響が大きいことが認められ、今年度は第1弾となる7月9日(土)の熊本地震の支援と祇園祭1週間前の地域活性がねらいの、「松原通(みち)の駅夜市」に、子どもたちが地域の方々からスタッフ参加依頼を受け、コーナー担当と協働NPOフリンジシアタープロジェクトの安全ワークショップに参加しました。

第2弾の11月19日の松原通(みち)の駅に向けては、子どもプロジェクトチーム(児童館キッズお仕事体験クラブ)が、NPO法人フリンジシアタープロジェクトとカウントダウンCMを制作し、松原通(みち)の駅開催1週間前からフェイスブックやツイッターで参加を呼び掛けました。また当日はNPO法人フリンジシアタープロジェクトの俳優さんと本町エスコーラ佐々木暁生さんとともに、打楽器によるPR隊を結成し、まちなかを演奏しながら練り歩き、松原通(みち)の駅を広くPRし、松原通りににぎやかさをプラスしました。子どもたちの中には、演奏をしながら、道行く人や地元の方々に直接チラシを配り案内する子どももいました。

今年度は、因幡薬師(平等寺)界隈から松原通りを会場にしましたが、車の通行や人通りも多いため、近くのコインパーキングを貸切り、更に周辺住民の方のご協力で子どものメインのあそび場を確保しました。そこでは、児童館の"あおぞらだがしや"(月に1回児童館に隣接する修徳公園にて開催)を松原通(みち)の駅バージョンで出店しました。準備、運営は学童クラブ保護者プロジェクトの方で、100円をおはじき10個と交換し、子ども自身が選んでお買い物を楽しみました。さらに"たこせん屋"も出店し、中高生や小学生の"ねこの手隊"(「猫の手も借りたい」からのお手伝い)も活躍しました。

またその横では、児童館での日常の遊びを路地あそび的に出店し、あそびを通した親子や地域の方と子どもの交流の場を設けました。路地あそびは昔ながらの京都の風情を感じさせるもので、駒回しや将棋(地域の高齢者の方の協力)は、子どもだけでなく、大人同士も関わりあえる場所となっていました。その他マンカラ、皿回し、カロムなど定番の遊びや「だるまさんがころんだ」などの遊びも楽しみました。

松原通りの表装具屋さんの和室を借りての"おりがみ"のお店(おりがみボランティアの先生)では、保護者や海外からの観光の方もゆったりと楽しんでいました。児童館でおりがみが得意な子どもたちはスタッフとしても大活躍でした。

その他店舗の軒下やガレージをお借りしてのあそびコーナーでは、大学生による「さかな釣り」コーナー、「まち職人クイズ」コーナー、学童クラブ保護者による「輪投げ」コーナーなど、コーナー展開とともに子どもたちの安全のために、地域の各所に散らばって見守りをしていただきました。

学童クラブ保護者による手相占いコーナーも人気でした。

今年度は、松原通(みち)の駅に向けて3カ月かけて「まつばら笑顔写真展」の準備をしました。8,9,10月の3回シリーズで実施した「笑顔写真きょうしつ」で子どもたちが撮り集めた松原通りの笑顔写真を展示しました。1回目は笑顔写真の撮り方をプロのカメラマンから習い、2回目には実際に3チームに分かれて松原通りに出かけて写真を撮りました。店舗や住民の方、松原通りを歩いている人に声をかけ、名刺を渡して趣旨を説明して写真を撮らせてもらいました。「笑顔」だけでなく、「赤いもの」「きれいなもの」などのお題の写真を撮る中で、まちの伝統文化にふれ、本物に心動かされ、無心にシャッターを押す姿も見られました。3回目はまち歩きを振り返り、グループごとに写真のまとめをしました。当日は何人もの方が、足を止めて写真を見て下さっていました。松原通(みち)の駅終了後も、下京図書館のギャラリーで展示しています。

児童館で日頃行っている乳幼児広場(あそべMONDAY,ちびっこらんど,パパぱーく)を松原通りで開催しました。以前商売をされていた町家の1階を開放していただいた乳幼児親子のあそび場"ちびっこらんど"では、乳幼児のあそびコーナーや、パパママとの休憩スペース、おむつ交換や授乳場所の設置をしました。

また乳幼児の保護者が交代でウオークラリーのポイントでの"消しゴムすくい"当番を担当し、参加者との交流をしました。また小学生の「おはなし隊」が乳幼児に向けてのペープサートやクイズ、歌や楽器演奏、紙芝居を披露し、楽しませてくれました。

まち歩きのアイテムとして、ウォークラリーカードをつくり、通りの拠点に学童クラブ保護者プロジェクトの方や学生に配置していただき、ラリーの拠点での役割ととともに、子どもの通行安全のための警備を行っていただきました。

その他松原通り活性化プロジェクト主催の飲食コーナーや、交通安全ワークショップ(光マンとじゃんけんゲーム)や京都大学高田研究室の「職人めぐり」、松原通り界隈の協賛店舗の特別メニューやフリーマーケットなどがありました。

[下京 まいぷれ]の取材を受けました。

よかったこと

協働したNPO法人 フリンジシアタープロジェクトの俳優さんたちが実際にお芝居をしている舞台や照明を使わせてもらってのCM撮影では、最初は恥ずかしがっていた子どもたちが、自分たちで演出を手掛けるようになり、主体的にCMづくりに取り組んでいました。プロに触れたことによる効果を感じました。また地域の歴史や文化、職人さんの作品など本物に触れる機会もあり、子ども達が本物に触れることの大事さをその様子から改めて感じました。

今年度も多くのそしてさまざまな地域の方と一緒に事業を進めることができ、児童館や子ども、子育ての話をたくさん聞いていただき、また、地域の方々の子どもや子育て世代に寄せる温かい思いもたくさん感じ取ることができました。

子どもたちの声

今年度は開催場所がなかなか決定しなかったこともあり、安全面からも子ども達の主体的な活動機会を十分に準備することができませんでした。そんな中でも児童館内での準備や当日のスタッフ、ねこの手隊など「やりたい」の声がこどもたちからたくさん上がりました。

笑顔写真展の写真を見て「私、この人知ってるよ」と保護者に話している姿がありました。また「もう少し、お父さんやお母さんが楽しめる場所があればいいのに」という声もありました。道案内をしてくれる子どももいました。

協力NPOの感想

PR大作戦での打楽器を演奏しながらの練り歩きは、1回1時間半を2回実施しましたが、「重い楽器を演奏しながら、よく頑張った」「やりきったという満足げな顔が印象に残った」「いっしょにやって楽しかった」との声をいただきました。フリンジシアタープロジェクトとは、年間通してお互いに行き来もあり、児童館以外の場所での、地域活動でのワークショップにも子どもたちが参加して劇団の俳優さんと出会う機会があり、徐々にその関係性も広がっています。

その他協力者の感想

今回は特に場所を提供してくださった皆さんが、趣旨を理解し、子ども達のために、積極的に協力してくださいました。そして「楽しかった。久しぶりにこの家が子どもの声でにぎやかになってうれしかった。」とお礼の言葉をいたき、「こんな形で地域に協力できることがあってありがたい、またいつでも協力します。」という言葉もいただきました。

松原通り界隈活性化プロジェクトの方々は、児童館関係者や子ども達が松原通りを盛り上げたことに関して感謝していただいたと同時に、もっと自分たちが地域に働きかけ、地元の賛同者、参画者を増やす努力をしていかなければならないとおっしゃっていました。

児童館担当者の感想

月1回の実行委員会にメンバーが揃わず、実行委員会として決めていかなければならないことが、なかなか決まらず、児童館とNPOが地域に出向き子どもたちへの協力の部分は先行して呼びかける結果となりました。笑顔写真の撮影など事前に児童館がつながっていたこともあり、地域の方々や店舗の皆さんが快く協力体制を敷いてくださったのはとてもありがたかったです。またどこへ行っても、子ども達が遊ぶために"安全確保"については真剣に考えて下さり、地域の方々の子どもへの温かい視線にふれ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

松原通(みち)の駅終了後、学童クラブの集団帰りの後ろをついて帰った時、子ども達が松原通りのたくさんのお店の方や地域の人に声をかけられ、手を振りながら帰っていく姿を見た時は、確実にここ数年で、子ども達と地域の方々との関係性が育ったことを感じ取りました。